計画的避難区域(読み)ケイカクテキヒナンクイキ

デジタル大辞泉の解説

けいかくてき‐ひなんくいき〔ケイクワクテキヒナンクヰキ〕【計画的避難区域】

平成23年(2011)3月に発生した福島第一原発事故に伴い、政府が住民に対して、区域の指定から約1か月の間に避難のため立ち退くことを求めた区域。福島第一原子力発電所から半径20キロメートル以遠で、居住し続けた場合に放射線の年間積算線量が20ミリシーベルトに達する恐れがある地域。福島県の葛尾村浪江町飯舘村、および川俣町南相馬市の一部。原子力災害対策特別措置法に基づいて、4月22日設定された。→緊急時避難準備区域
[補説]同年12月に原子炉が冷温停止状態に達した後、区域設定が見直され、翌平成24年(2012)4月から行政区単位で順次、年間積算線量に応じて、避難指示解除準備区域居住制限区域帰還困難区域に再編されている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

計画的避難区域

福島第一原発から20キロ圏の警戒区域外側だが、年間の積算放射線量が20ミリシーベルトを超える恐れがあり、国が避難を求めている区域。避難を拒否したり、立ち入りや一時帰宅をしたりしても罰則はない。

(2011-08-17 朝日新聞 朝刊 1社会)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

計画的避難区域
けいかくてきひなんくいき

2011年(平成23)3月11日の東北地方太平洋沖地震により発生した東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い、住民すべてに約1か月以内の立退きを要請した地域。2011年4月22日から2013年8月7日まで存在した。住民の生命・身体への危険を防ぐため、立入りを原則制限・禁止した避難指示区域の一つである。福島第一原発から半径20キロメートル圏(警戒区域)外にあるものの、1年間の積算放射線量が20ミリシーベルトに達するおそれがあった地域をさす。国際原子力機関(IAEA)など国際機関の基準を考慮し、政府は20ミリシーべルトに達する地域に居住し続けると、人体に影響を及ぼすおそれがあると判断した。原子力災害対策特別措置法に基づき、2011年4月22日、福島県の飯舘(いいたて)村(全域)、葛尾(かつらお)村(福島第一原発から半径20キロメートル圏内を除く全域)、浪江(なみえ)町(同)、川俣(かわまた)町の一部、南相馬(みなみそうま)市の一部を指定、同年5月中の退避を求めた。対象住民は約1万人。同区域から避難した住民には東京電力から賠償金が支払われ、医療費が全額免除となるほか、固定資産税、都市計画税、国民年金保険料の減免措置を受けられた。計画的避難区域内の除染作業は国が直接担当した。
 政府は事故後、住民の避難を求める区域として、計画的避難区域のほか、原則として立入禁止の「警戒区域」と、「緊急時避難準備区域」(福島第一原発から半径20~30キロメートル圏内で、年間積算放射線量が20ミリシーベルトに達しないと推定される区域)を設けた。このうち、緊急時避難準備区域は2011年9月末に解除された。計画的避難区域と警戒区域については、放射線量ごとに新たに区域を再編、2012年4月から地元自治体の同意を得ながら順次、5年以上の長期間戻れない「帰還困難区域」(指定開始時点で年間推定積算放射線量が50ミリシーベルト超の地域)、宿泊はできないが一時帰宅は認める「居住制限区域」(同20ミリシーベルト超のおそれがあると確認された地域)、宿泊はできないが一時帰宅のほか事業所再開や営農再開を認める「避難指示解除準備区域」(同20ミリシーベルト以下となることが確認された地域)の三つの区域に新たに設定し、2013年8月に指定が完了した。[矢野 武]

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