認定こども園(読み)にんていこどもえん

  • にんていこどもえん〔こどもヱン〕

知恵蔵の解説

就学前の子どもに教育保育を一体的に提供する他、地域の子育て家庭に対する支援を行う施設。幼稚園保育所などのうち一定の基準を満たす施設を、都道府県知事認定する。2010年4月1日現在、全国で532カ所ある。
文部科学省が所管する幼稚園は、満3歳から就学前までの子どもを対象とする教育施設であり、厚生労働省所管の保育所は、親の就労などによって「保育に欠ける」0歳から就学前までの子どもを対象とする児童福祉施設である。このように両者は本来、目的や機能が異なるが、共働き世帯や核家族の増加などの社会状況や家庭の変化を受けて、預かり保育や子育て支援を導入するなどの多様化が進んだ結果、互いの機能は似通ったものになってきている。さらに、地方分権と規制緩和という構造改革の流れもあって「幼保一元化」が求められる中、両者の制度を残した上で幼保一体的な運営をする総合施設として06年10月、認定こども園制度がスタート。親の就労の有無にかかわらず0歳から就学前までのすべての子どもを対象にしたサービスの提供が、両省を所管省庁として実現した。
認定こども園は、母体となる施設によって、(1)認可幼稚園認可保育所が一体的な運営をする「幼保連携型」、(2)認可幼稚園が保育所機能を備えた「幼稚園型」、(3)認可保育所が幼稚園機能を備えた「保育所型」、(4)認可されていない地域の教育・保育施設が必要な機能を果たす「地方裁量型」――の4つのタイプがある。既存の施設が総合的な機能を持つことで認定こども園となることが期待されており、地域の実情に応じた認定が可能になった。また、子育てをする保護者への支援には、ボランティアやNPO、専門機関と連携するなど、地域の人材や社会資源を活用することなども求められている。

(原田英美  ライター / 2011年)

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デジタル大辞泉の解説

就学前の子供に幼児教育と保育の両方を提供し、また地域における子育て支援事業を行う施設として、都道府県知事の認定を受けた施設。保護者の就労の有無によらず利用できる。地域の実情に応じて、認可幼稚園認可保育所が連携する幼保連携型、認可幼稚園が保育所的機能を備える幼稚園型、認可保育所が幼稚園的機能を備える保育所型、認可外の施設が認定こども園となる地方裁量型などのタイプがある。平成18年(2006)10月施行の「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」により制定された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

就学前の子供に幼児教育保育をあわせて提供し,地域の子育て支援を行なう施設。「就学前の子どもに関する教育,保育等の総合的な提供の推進に関する法律」(認定こども園法)に基づき,2006年10月設置された。保護者の就労の有無にかかわらず,0歳から就学前までの子供を預かり,教育と保育を一体的に行なう。また,子育てをしている家庭向けの相談活動や,集いの場の提供なども行なう。就学前の子供を養育する施設として,3歳以上の幼児に教育を施す幼稚園文部科学省所管)と,0歳からの乳幼児の保育を行なう保育所厚生労働省所管)が並立するが,1990年代以降,核家族や共働き世帯の増加,働き方の多様化などを背景に,幼稚園の時間的制約や,保護者の就労が保育所への入所の要件となること,保育所に入れない待機児童の問題などについて改善を求める声が高まった。また,縦割り行政の解消や,家庭環境にかかわらず同じ保育と教育を受けることが本来望ましいという考えなどからも,幼稚園と保育所の統合(幼保一元化)が求められ,既存の制度を残しつつ認定こども園が創設された。設置基準は,内閣総理大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣が定める基準に従って各都道府県が条例などで定め,知事などが認可,認定する。母体となる施設によって以下の四つの類型がある。(1) 幼保連携型 認可幼稚園と認可保育所が連携し,単一の施設として認定こども園の機能を備えるもの,(2) 幼稚園型 認可幼稚園が保育所的な機能を備えるもの,(3) 保育所型 認可保育所が幼稚園的な機能を備えるもの,(4) 地方裁量型 幼稚園,保育所のいずれの認可ももたない施設が必要な機能を備えるもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

保護者の就労の有無に関係なく、満3~5歳の子どもが通う幼児教育施設である幼稚園と、保護者が就労しているなど、おもに日中に子どもの世話をする人がいない家庭の子どもを保育する保育所(0~5歳)の役割をあわせもつ、幼保一体型の保育施設。最初は特区の形で導入され、2006年(平成18)10月から正式に制度としてスタートした。2015年4月からは子ども・子育て支援新制度のもとで「施設型給付施設」の一つとして運営されるようになった。幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型の四つのタイプがあり、都道府県等が認定を行う。もっとも基準が厳しいのは認可された幼稚園と認可保育所の機能をあわせ、両方の高い基準を取った幼保連携型で、幼稚園に必須(ひっす)の園庭と、保育所に必須の自園調理施設の両方がなければならず、保育にあたる職員は「保育教諭」として幼稚園教諭免許と保育士資格の両方をもつ必要がある(2024年度末まで猶予期間中で、免許・資格のいずれかを所持しているだけでも認められている)。守るべき指針としては「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」が定められている。四つの類型のうち、幼稚園型、保育所型はそれぞれ認可された幼稚園、認可保育所が都道府県に申請して認定こども園として認可されたもので、それぞれ幼稚園教育要領、保育所保育指針にのっとった運営が行われる。地方裁量型はもともと認可外保育施設であったものが都道府県によって認定された施設であり、もっとも基準が低い。

 認定こども園に子どもを預けるためには、地方公共団体から施設型給付の支給を受けるために1~3号の認定を得る必要がある。保護者の就労に関係なく認定を受けられる1号認定の子ども(3~5歳の幼稚園児相当)は園に直接入園申込みを行う。保護者が就労しているなど、保育を必要とする事由がある2号認定(3~5歳の保育園児相当)、3号認定(0~2歳の保育園児相当)の子どもは、地方公共団体を通して入園申請を行う。子ども・子育て支援新制度の導入後、しだいに認定こども園に移行する園が増え、2018年4月時点で6160園になった。

[猪熊弘子 2019年3月20日]

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