瀬戸内海と豊後水道を画する海峡で、
名称はかつての豊後国と伊予国の間にあるところから生れたもので、明治一六年(一八八三)に水路部が海図に使用したのが始まりとされる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
瀬戸内海の南西部、愛媛県佐田(さだ)岬と大分県佐賀関半島関崎との間の海峡。海峡間は約16キロメートル。速吸瀬戸(はやすいせと)ともいう。北の伊予灘(いよなだ)と南の豊後(ぶんご)水道の境界にあたるため豊予海峡という。関崎寄りに高島、牛島があり、この両島と佐田岬間の水深は最大地点で140メートルであるが、海峡の南北にはそれぞれ深度300~400メートルの二つの海釜(かいふ)がある。この海釜は付近の激しい潮流による侵食で形成されたものと考えられる。潮流の速さは漲潮(ちょうちょう)時最大6ノット、逆潮時5ノットである。海峡は瀬戸内海と外洋を結ぶ主要航路にあたり、タンカー、フェリーなどの大型船舶の航行が多い。海峡一帯は穏顕岩礁や海食崖(がい)の景観に優れ、瀬戸内海国立公園域になっている。
[深石一夫]
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…一般には関崎と呼ばれる。眼前の豊予海峡(速吸瀬戸(はやすいのせと))は航海の難所で,養老年間(717‐724)役行者(えんのぎようじや)がここで難破したとき,地蔵尊があらわれたという伝説によってこの地名がついたといわれる。白亜の関崎灯台(1901建設)からの展望はすばらしく,ウミネコの生息地として有名な高島や,対岸の佐田岬,さらに遠く四国の山々が望める。…
※「豊予海峡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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