赤松記(読み)あかまつき

日本歴史地名大系 「赤松記」の解説

赤松記
あかまつき

一巻 徳平(得平)定阿著

成立 天正一六年八月

原本 所在不明

写本 国立国会図書館・長崎県島原公民館松平文庫・水戸彰考館・宮内庁書陵部

解説 赤松氏と徳平氏の歴史を記して子孫に残した置書。赤松氏の発祥から嘉吉の乱、赤松氏再興、赤松内紛を描き、併せて自家の由緒と正当性を主張する。年次等に錯綜があるが、後世軍記物とは違い史料としての価値は高い。円教寺の僧実祐の書いた「赤松記」など同名異書が多い。

活字本群書類従」第二一輯

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「赤松記」の意味・わかりやすい解説

赤松記 (あかまつき)

赤松氏の興亡を述べた記録。1588年(天正16)赤松氏一族の得平(とくひら)因幡守入道定阿が著す。赤松氏が南北朝時代播磨備前,美作3国の守護となり,1441年(嘉吉1)嘉吉の乱により一時没落するが,58年(長禄2)一族の政則が家督を許され,のちに再び3国守護となる経緯を述べ,政則の死後領国が乱れ,しだいに家臣浦上氏勢力を奪われてゆく過程や,その浦上氏が滅びゆく模様を詳記。《群書類従》所収。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤松記」の意味・わかりやすい解説

赤松記
あかまつき

嘉吉記』ともいう。戦記。1巻。因幡入道定阿著。天正 16 (1588) 年成立。南北朝時代,赤松則村の全盛期現出にいたる過程,赤松満祐の没落,再興,応仁の乱での赤松氏の活躍などを扱い,家臣浦上氏にも言及。『群書類従』に収録。

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