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起請文 きしょうもん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

起請文
きしょうもん

平安時代末期から江戸時代までの古文書の一つ。自己の行動を神仏に誓って遵守履行すべきこと,違反した場合は罰を受ける旨を記した文書。遵守事項を記す部分 (前書) と,違約した場合にその罰をこうむるべき神仏名を記す部分 (神文) とから成り,普通,諸社寺から発行された牛王宝印 (ごおうほういん。

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デジタル大辞泉の解説

きしょう‐もん〔キシヤウ‐〕【起請文】

神仏への誓いを記した文書。誓いの内容を記した前書(まえがき)の部分と、違背した場合に神仏の罰をこうむることを記して神名を列記した神文(しんもん)の部分とからなる。平安末期からあり、南北朝時代以後盛んになった。熊野神社などの牛王(ごおう)宝印の守り札の裏を利用することが多い。誓文。誓紙。起請。起請誓紙
江戸時代、男女間の愛情の変わらないことを互いに誓い合って書いた文書。遊女が客に誠意を示す手くだとして用いた。起請。起請誓紙。

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百科事典マイペディアの解説

起請文【きしょうもん】

古文書の一つ。神判(しんぱん),祭文(さいもん),誓紙とも。守り行うべきことを,神仏にかけて相手方に誓約した文書。中世の裁判は起請文によって判決が下されるほど強い拘束力をもっていた。
→関連項目起請血判湯起請

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世界大百科事典 第2版の解説

きしょうもん【起請文】

誓紙,誓文ともいい,前近代の日本で,人と人とが約束をとりかわすとき,神仏を仲立ちとし,偽りがあればその神仏の罰をうけることを誓うことがあり,その誓いを文書に書いたものを起請文という。起請文は,誓約内容を記した前書とよばれる確言と,もし誓約に背けば神仏の罰をうけるという自己呪詛文言を記した神文・罰文とからなり,しばしば護符の一種である牛玉(ごおう)宝印を料紙とする。 誓約の対象の神仏は日本国中の大小神祇からはじめて各自の信ずる神仏名をあげさせるものが多く,江戸時代には,転びキリシタンに棄教をゼウスマリアにかけて誓わせる〈南蛮起請〉というものもあらわれた。

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大辞林 第三版の解説

きしょうもん【起請文】

起請の内容を記した文書。起請誓紙。誓紙。誓詞。
特に起請の文書。起請前書と神文しんもんとからなる。起請誓紙。 → 神文しんもん

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

起請文
きしょうもん

起請とは、神仏に呼びかけて、もし自己の言が偽りならば、神仏の罰を受くべきことを誓約することをいい、これを記した文書を起請文という。
 起請には確言的起請(内容にあることが、真言であることを確言すること)と、確約的起請(ある事をし、またはしないことを確約するもの)とがあった。この意味の起請は古くから行われていたが、これを記した文書を起請文と称したのは平安後期からである。起請の内容を記した部分を前書といい、神仏の罰を受くべき旨を記した部分を罰文または神文(しんもん)という。罰文としては、鎌倉時代の御成敗式目の末尾にある北条泰時(やすとき)らの連署起請文の「梵天(ぼんてん)・帝釈(たいしゃく)・四大天王・惣(そう)日本国中六十余州大小神祇(じんぎ)、特伊豆・筥根(はこね)両所権現(ごんげん)、三島大明神・八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)・天満(てんまん)大自在天神、部類眷属(けんぞく)神罰冥罰(みょうばつ)各可罷蒙者也、仍起請文如件」というのがその後の典型となった。起請文は初め白紙に書かれていたが、のちには寺社の発行する牛王(ごおう)と称する紙の裏に記すようになった。熊野の神使である烏(からす)の模様で「牛王宝印」の4文字を表現した熊野神社の牛王が知られている。起請文は中世では各種の場合に用いられ、ことに裁判の証拠方法上、主要な意味をもっていたが、江戸時代には形式化した。[石井良助]

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世界大百科事典内の起請文の言及

【かぶき者】より

…初期のかぶき者には,没落した在地小領主や,名主(みようしゆ)の家父長制的経営から解放された小農民を主体とする中間(ちゆうげん),小者(こもの)などの武家奉公人が多かった。かぶき者の首領たちは大鳥居逸兵衛,大風嵐之介などの異名をもち,若者を集めて血判の起請文(きしようもん)をとり,もし仲間に災難が起きた時は身命を捨て,たとえ相手が君父であっても〈道理〉に反した場合は容赦せず復讐することを誓っていたというから,かぶき者の行動原理は戦国以来の反権力思想たる下剋上思想にほかならない。しかし幕藩制身分秩序が確立するにつれ,旗本奴(やつこ)と町奴との対立にみられるように,かぶき者の行動や行動原理もしだいに矮小化し風俗化していった。…

【牛玉宝印】より

…寺院・神社から発行される一種の護符。しばしば起請文の料紙に用いられる。和紙に〈二月堂牛玉宝印〉〈多賀大社牛玉宝印〉〈熊野山宝印〉などの文字が独特の字配り,書体で書かれ,仏の種字(しゆじ)(梵字)や宝珠などをあらわす朱印が押されたもの。…

【証状】より

…ある事実を証明する証拠能力を有する文書の総称としての〈証文〉と同義に使われることも多いが,とくには,訴訟の裁定のために提出を要請される書面証言を記した文書。後者の場合は,むしろ〈起請文〉〈誓状〉の一形式であって,〈相論の時,証人に尋ねらるるの事,訴論人の注文につき,両方の縁者を除き,起請文の詞を載せて証状を召さるるの条,傍例たり〉(《山田氏文書》1300年(正安2)7月2日鎮西下知状)といわれたように,裁判機関の問状(といじよう)をうけて,起請文をもって提出された。ただし,〈祭文起請,公家は用いられず〉(《玉葉》1187年(文治3)5月16日条)とあるように,公家では訴訟手続に起請文を用いない伝統があった。…

【評定所】より

…これらは1712年(正徳2)から式日が2,11,21日,立合が4,13,25日,また内寄合は21年から6,18,27日となった。式日には諸役人は審理の公正を誓う起請文(きしようもん)を提出したが,これは《貞永式目》発布の際の鎌倉幕府評定衆の起請文にならったものである。式日には三奉行の立合で落着しない難事件を老中出座で審理するのが当初の目的であったようであるが,1720年にはとくに式日とて公事を撰出することを禁じた。…

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