精選版 日本国語大辞典「躑躅」の解説
つつじ【躑躅】
〘名〙
① ツツジ科ツツジ属の低木のうち、全部もしくは一部が落葉するもの。北半球の温帯などに広く分布して約五〇〇種あり、ヤマツツジ、ミツバツツジ、レンゲツツジなど日本には約五〇種が自生する。古くから庭園に栽培され、園芸品種も非常に多い。高さ〇・三~三メートル。枝をよく分け、葉は互生し、まれにふちに小鋸歯(きょし)を持つものがある。小枝や葉にはあらい粘毛を生じる。春から夏にかけ、枝先に小柄のある先が五裂した漏斗状の花が数個集まって咲く。《季・春》
※宇津保(970‐999頃)吹上上「つつしの木ども北になみたちて」
② 襲(かさね)の色目の名。表は白、裏は蘇芳(すおう)または二藍(ふたあい)。冬の下襲(したがさね)。女房の袿(うちき)に用いる。躑躅襲。つつじの衣。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「わらはにつつじのこうちぎ」
てき‐ちょく【躑躅】
〘名〙 (「てきぢょく」とも)
① (━する) 足ぶみすること。じだんだをふむこと。〔いろは字(1559)〕 〔荀子注‐礼論〕
② (━する) ためらうこと。たゆたうこと。ちゅうちょ。
※本朝文粋(1060頃)九・詩者志之所之詩序〈菅原文時〉「始則躑二躅於胸臆之間一。漸以流二離於脣吻之外一」 〔古詩‐為焦仲卿妻作〕
※車屋本謡曲・雲雀山(1505頃)「てきちょくは夜遊の人の折りをえて」 〔王建‐宮詞〕
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