(読み)ホ

デジタル大辞泉 「輔」の意味・読み・例文・類語

ほ【輔】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ホ(慣) [訓]たすける すけ
そばに寄り添って助ける。「輔佐輔助輔弼ほひつ輔翼匡輔きょうほ
ほお骨。「唇歯輔車
[補説]「」を代用字とすることがある。
[名のり]たすく・たすけ

つら‐がまち【×輔/輔車】

上下あごの骨。かまち。ほほ骨。〈名義抄
顔のようす。顔つき。
「からめ捕って候と引き出す―、筋骨高く頰骨荒れ」〈浄・孕常盤

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精選版 日本国語大辞典 「輔」の意味・読み・例文・類語

かまち【・輔】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かまち(框)」と同語源 )
  2. かばち()
    1. [初出の実例]「鬚髻、上栗兪反、毛也、倭云加末智乃比偈(カマチのひげ) 又花蘂之本也、髻髪也」(出典新訳華厳経音義私記(794))
  3. かばち()

かばち【・輔】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 頬骨からおとがいにかけての骨格。かまち。つらがまち。
    1. [初出の実例]「世尊の頷(カハチ)・臆并に身の上半は、威容広大なること師子王のごとし」(出典:彌勒上生経賛平安初期点(850頃))
  3. 車などの両側に付ける枠で、荷の落ちるのを防ぐもの。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕

輔の補助注記

語源として、( イ )カホフチ(顔縁)の約カフチの転じたものか〔大言海〕。( ロ )カホハツ(㒵極)の転で、ハはホフの反〔名言通〕などが挙げられる。


ほ【輔】

  1. 〘 名詞 〙 たすけること。また、その人。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕 〔詩経‐魯頌・閟宮〕

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普及版 字通 「輔」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 14画

[字音]
[字訓] たすける

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は甫(ほ)。甫に傅(つ)く・傅(たす)くの意がある。〔説文〕十四上に「人の頰車(けふしや)なり」とし、「つらがまち」の意とするが、字が車に従うことからいえば、車の部分名とすべく、車輪の輻を補強する木、あるいは車箱の両旁にそえる木とする説がある。面輔の字はがその正字であろう。頰(ほお)の部分を輔車の関係にみたてて、輔と通用したものと思われる。

[訓義]
1. 車のそえ木。
2. たすける、そえる。
3. たすけただす、そえやく、輔佐の臣。
4. ほお、ほおぼね、あご、うわあご。
5. 字はまた(ほ)に作る。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕輔 輔なるは(車の)加波知(かはち)なり 〔名義抄〕輔 タスク/輔車 ツラカマチ・上、カハチ 〔字鏡集〕輔 ツラ・ツク・車ノコヘ・タスク・ツラヌ・アフ・スチ

[語系]
輔・扶biuaは同声。phiua、傅piuaも扶助する意があって通用する。甫は苗木(ふ)はそれを植えつける形で、扶植の意がある。

[熟語]
輔衛輔益・輔・輔・輔行・輔佐輔宰・輔済輔賛・輔車・輔主・輔助・輔相・輔職輔臣輔仁輔政・輔正・輔成輔治・輔導輔弼輔払・輔保輔養・輔翼輔翊・輔理・輔和
[下接語]
王輔・諫輔・匡輔・夾輔・挟輔・頰輔・輔・賢輔・口輔・左輔・宰輔・三輔・車輔・丞輔・臣輔・大輔・台輔・帝輔・鼎輔・藩輔・比輔・裨輔・翼輔・良輔

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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