酸化アルミニウム(読み)さんかアルミニウム(英語表記)aluminium oxide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

酸化アルミニウム
さんかアルミニウム
aluminium oxide

化学式 Al2O3 。アルミナともいう。α,γアルミナがあり,それぞれ菱面,立方晶系に属する。水酸化アルミニウムを 300℃以下で熱するとγアルミナを生じる。脱水温度 (1000℃以上) ではαアルミナを生じる。アルミナ触媒はγアルミナのこと。天然には鋼玉,紅色のルビー,青色のサファイアとして産出し,珍重されている。色の美しくない鋼玉は金剛砂として研磨材になる (→コランダム ) 。アルミナを電気炉中で半融したアランダムは耐火性が強く,硬度が高いので,るつぼ,そのほかの耐火器具にも使われる。α,γアルミナ以外に,かつてβアルミナに分類されたものは,のちに Na2O・11Al2O3 を基本とした別の化合物である事がわかった。

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デジタル大辞泉の解説

さんか‐アルミニウム〔サンクワ‐〕【酸化アルミニウム】

アルミニウム酸化物化合物。天然には鋼玉として産出し、工業的には原鉱から水酸化アルミニウムを取り出し、強く熱して作る。アルミニウムの原料、人工宝石のルビー・サファイア、耐火材研磨材触媒などに用いる。化学式Al2O3 アルミナ。礬土(ばんど)。

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百科事典マイペディアの解説

酸化アルミニウム【さんかアルミニウム】

化学式はAl2O3アルミナとも。α型(三方晶系または六方晶系),β型(六方晶系),γ型(等軸晶系)がある。α型が最も安定で,融点2054℃,沸点2974℃。β型,γ型とも約1000℃に熱するとα型に変わる。普通は無色の粉末。水に不溶。両性酸化物であるが一度強熱すると酸に難溶。工業的にはボーキサイトからバイヤー法で得られ,アルミニウムの電解精錬用原料。天然にはコランダム,サファイア,ルビー,金剛砂として産する。融点が高いので耐熱材料として有用,最近ではニュー・セラミックスとして焼結したものが用途を広げている。また表面積の大きい多孔質のものは活性アルミナと呼ばれ,吸着剤・乾燥剤・触媒に使用。
→関連項目耐火粘土耐火物

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世界大百科事典 第2版の解説

さんかアルミニウム【酸化アルミニウム aluminium oxide】

化学式Al2O3。アルミナという慣用名が広く使われている。いくつかの変態が存在するが,すべて白色の固体で水に難溶である。(1)α‐アルミナ 天然にはコランダムとして産出する。金属アルミニウムの燃焼,または水酸化アルミニウムの加熱によってつくられる。三方晶系(または六方晶系)結晶で,酸素原子は六方最密パッキング,その間隙の2/3にアルミニウム原子が存在し,アルミニウムのまわりには酸素がほぼ八面体に配位している。

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大辞林 第三版の解説

さんかアルミニウム【酸化アルミニウム】

化学式 Al2O3 工業的にはボーキサイトなどから製造する。白い粉末で、アルミニウムの製錬原料。水に不溶性の両性酸化物。研磨材・耐火材料としても使われる。天然には鋼玉やルビー・サファイア・金剛砂として産する。礬土ばんど。アルミナ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

酸化アルミニウム
さんかあるみにうむ
aluminium oxide

アルミニウムの酸化物。工業的にはアルミナともいう。水酸化アルミニウムAl(OH)3(=Al2O33H2O)からAl2O3までの脱水過程の中間にある含水酸化物Al2O3xH2O(0<x<3)を含めることもある。純粋なものはα(アルファ)‐アルミナといい、わずかに水分を含んだものをγ(ガンマ)‐アルミナ(Al2O3nH2O;0<n<0.6)といっている。γ‐アルミナは強熱すると脱水してα‐アルミナとなる。古くβ(ベータ)-アルミナとよばれたものがあるが、これはNa2O6Al2O3であることが示されている。α-Al2O3は天然にはコランダム(鋼玉)として産出。コランダムの人造品は商品名でアランダムといわれている。水に不溶。酸、アルカリにも難溶。耐火性が高い。モース硬度9.0。切削砥石(といし)、耐火レンガ、耐火材などに用いられる。不純物を含んで宝石となったものにルビー(紅玉、酸化クロム()0.2~0.3%)やサファイア(青玉、酸化チタンと酸化鉄()0.1~0.2%)がある。不純物を含んだコランダムはエメリーとよばれ研磨剤として用いられる。活性アルミナとして市販されているものは、アルミナ水和物を加熱脱水して得られる多孔性固体で、主成分がγ‐アルミナである。水分吸着能に優れ、各種化学反応の触媒ないし触媒担体として広く用いられており、またクロマトグラフ用吸着剤として有用である。[守永健一・中原勝儼]

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世界大百科事典内の酸化アルミニウムの言及

【アルミナ】より

…アルミニウムの酸化物Al2O3で,酸化アルミニウムともいう。α型(三方晶系),β型(六方晶系),γ型(等軸晶系)があり,高温ではα型が安定である。…

【アルミニウム】より

…これは表面に薄い酸化物皮膜を生じて内部を保護するためである。しかし高温になると急に酸化が進行し,融点近くに熱すると強い光を発して燃焼し,酸化アルミニウムAl2O3となる。酸には溶けるが,濃硝酸には酸化物皮膜をつくるため比較的侵されにくい。…

※「酸化アルミニウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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