野呂山
のろさん
豊田郡の西端、川尻町と呉市の境にそびえる膳棚山(八三九・四メートル)を中心に、安浦町域にもまたがる標高八〇〇メートル前後の高原台地。瀬戸内海国立公園の一部に含まれる。
「芸藩通志」には「麓は郷原・市飯田・上保田・菅田・川角・乃美尾・中畑・原畑・内平・中切・内海跡・川尻・仁方・広、凡十四村にわたる、前後二嶺ありて、前嶺最高し(中略)舟人は安芸の鍋蓋山とて、海上より望みて地方を知」ると記す。また賀茂郡の「国郡志下調郡辻書出帳」には「諸国廻船豊後・伊予・讃岐等之海上より望見して(中略)船乗方并日和を見定目当ニいたし候由」とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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野呂山 (のろさん)
広島県呉市にある標高800m前後の高原台地。中国地方で俗に〈のろ〉と呼ぶ山頂平たん面が広く発達し,鍋蓋(なべぶた)山の称もある。最高点は西端にある膳棚(ぜんだな)山(839m)。山上からの眺望は雄大で,眼下に瀬戸内海の島々,遠くに四国の連山を一望できる。山上には湖があり,大重(おおかさね)岩,小重岩などの奇勝が山中に散在。東端の弘法寺山(789m)には空海参籠の旧跡という弘法寺がある。江戸後期から数度にわたり野呂山開拓が計画され,明治初期には旧広島藩士による開墾が企てられたが,地理的条件や獣害によりいずれも成就しなかった。瀬戸内海国立公園に含まれ,〈さざなみスカイライン〉が頂上に通じる(1983年無料開放)。
執筆者:藤原 健蔵
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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野呂山
のろさん
広島県南西部、呉(くれ)市にある高原状台地。西方の膳棚(ぜんだな)山(839メートル)がもっとも高い。全体が緩やかなドーム状の「のろ」地形を示し、中国山地の高位平坦(へいたん)面の一部と考えられている。山頂にはロッジやキャンプ場、筆(ふで)づくり資料館などがあり、瀬戸内海の眺望美に優れている。瀬戸内海国立公園に含まれ、山頂へはさざなみスカイラインが通じる。
[北川建次]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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野呂山
のろさん
広島県南部,呉市北部にある高原状の山。最高地点は膳棚山と呼ばれ,標高 839m。吉備高原面と対比される平坦面「のろ」が開ける。呉市の川尻からさざなみスカイラインが通じる。山頂からは芸予諸島の眺望に優れ,一帯は瀬戸内海国立公園に属する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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