野幌森林公園(読み)のつぽろしんりんこうえん

日本歴史地名大系 「野幌森林公園」の解説

野幌森林公園
のつぽろしんりんこうえん

江別市の南西部(公園域の九〇パーセント)を占め、北広島市・札幌市厚別区にまたがる平地森林地帯。昭和四三年(一九六八)北海道開道一〇〇年を記念して道立自然公園に指定された。都市近郊にありながら、野幌丘陵の標高三〇―九〇メートルに面積二〇五一ヘクタールが保存され、石狩平野開拓以前の原始林面影を伝える。明治一〇年(一八七七)に公林に指定、官林・御料林を経て、同二七年国有林になった。国有林指定後の同三二年、周辺区町村の基本財産に分割される危機に直面、気象条件の保持や水源涵養などの面から、保存を提唱していた地元北越殖民社(社長関矢孫左衛門)や屯田兵村幹部、広島ひろしま(現北広島市)有志による反対運動によって分割を免れた。

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改訂新版 世界大百科事典 「野幌森林公園」の意味・わかりやすい解説

野幌森林公園 (のっぽろしんりんこうえん)

北海道中央部の石狩平野に突出する野幌丘陵北部を占める森林公園。札幌市厚別区および江別市,北広島市にまたがり,1968年に開拓当時の自然林の保護・育成などを目的に道立自然公園に指定された。面積2040ha。公園の一部をなす野幌原始林(特天)はトドマツを主とする針葉樹林ハルニレ,ミズナラ,イタヤカエデ,カツラヤチダモなどの広葉樹林の混生林で,エゾリスクマゲラなども生息する。かつては広大な原始林であったが,1954年の洞爺丸台風により大きな被害を受け,一部が指定解除されて,現在は北広島市に属する41.7haが残るのみとなった。園内には北海道開拓記念館,開道百年記念塔などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「野幌森林公園」の意味・わかりやすい解説

野幌森林公園
のっぽろしんりんこうえん

北海道中央部、札幌市・江別市(えべつし)・北広島市にまたがる面積約20平方キロメートルの道立自然公園。1968年(昭和43)北海道開拓100年を記念して設置された。特別天然記念物野幌原始林は開拓当時からのもので、トドマツ、シラカバニレ、カツラ、シナノキなど約450種を保護育成しており、80種の野鳥が生息する。また百年記念塔、開拓記念館、開拓の村がつくられている。公園周辺は酪農学園大学札幌学院大学(旧、札幌商科大学)、道立図書館などがある文教地区となっている。

[奈良部理]


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事典 日本の地域遺産 「野幌森林公園」の解説

野幌森林公園

(北海道札幌市厚別区厚別町小野幌53-2)
北の造園遺産」指定の地域遺産(第3次(2012(平成24)年))〔第14号〕。
野幌森林公園は、北海道100年を記念して1968(昭和43)年道立自然公園に指定された。公園内には開拓の村や自然ふれあい交流館、北海道開拓記念館なども整備され、多くの市民が利用するなど地域的価値が高い

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事典・日本の観光資源 「野幌森林公園」の解説

野幌森林公園

(北海道札幌市厚別区)
森林浴の森100選」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の野幌森林公園の言及

【江別[市]】より

…酪農は古くから発展し,近郊酪農地帯を形成し,低地には水田が広がる。札幌市にまたがって天然林を保存する野幌森林公園がある。【岡本 次郎】。…

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