半導体と絶縁体の界面や半導体のヘテロ接合面などの二次元(平面)内の電子に対して、極低温時(数K以下)に非常に強力な磁場(数テスラ)をかけると、ホール伝導率σHがσH=νe2/hという離散的な値をとる現象。1980年にクリッツィングが発見した。ここでνは整数または分数、eは素電荷、hはプランク定数。νが整数の場合の整数量子ホール効果とνが分数の場合の分数量子ホール効果がある。これは、低温強磁場下で電子の軌道状態が量子化され、エネルギー準位が離散的な値に縮退したことによる効果である。この縮退したエネルギー準位は半導体内の不純物などの影響により、少し広がり、電子の局在化を起こし(アンダーソン局在)、その影響で整数量子ホール効果が生じると考えられる。整数量子ホール効果により普遍定数であるe2/hを精密に測定できるため電気抵抗標準として使用されている。また、分数量子ホール効果は、半導体内の不純物を極限まで減らした状態で観測され、電子間のクーロン・ポテンシャルにより発生すると考えられている。
[山本将史 2022年7月21日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新