金鈴塚古墳(読み)キンレイヅカコフン

デジタル大辞泉 「金鈴塚古墳」の意味・読み・例文・類語

きんれいづか‐こふん【金鈴塚古墳】

千葉県木更津市にある古墳時代後期の前方後円墳全長約95メートル。横穴式石室の中央部に箱式石棺があり、副葬品として金鈴・大刀・武具馬具など多数出土

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精選版 日本国語大辞典 「金鈴塚古墳」の意味・読み・例文・類語

きんれいづか‐こふん【金鈴塚古墳】

  1. [ 一 ] 千葉県木更津市長須賀にある古墳後期の前方後円墳。昭和二五年(一九五〇発掘。横穴式石室から純金の小鈴五個ほか多量の金銀製品が出土。特に環頭、円頭、圭頭、頭槌(かぶつち)、鳥首、方頭などの各種の大刀があった。
  2. [ 二 ] 朝鮮半島慶尚北道慶州邑路東里にある三国時代新羅の古墳。一九二四年発掘。木室内から金銀珠玉の装身具土器漆器、ガラス碗(わん)などを出土。

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日本歴史地名大系 「金鈴塚古墳」の解説

金鈴塚古墳
きんれいづかこふん

[現在地名]木更津市長須賀 熊野廻

小櫃おびつ川下流域左岸の沖積地に所在する前方後円墳で、石室を含む後円部墳丘だけが現存する。本来の墳丘長は九五メートルで、墳丘と相似形の周溝を備えていたと推定される。県指定史跡。昭和二五年(一九五〇)に発掘され、後円部南側に開口する横穴式石室(半加工自然石積み・無袖式)と、石室内に設置された組合せ式箱形石棺から、製三神五獣鏡・変形四獣鏡、装飾大刀一七本(環頭・圭頭・円頭・方頭・頭椎・鳥首)衝角付冑挂甲、金銅装馬具三セット、鉄鉾・鉄鏃・弓弭・鹿角装刀子・斧・金鈴・銀製垂飾・金糸・銀糸・飾金具類・金銅製飾履・金銅耳環三対・櫛・銅鋺・玉類・須恵器土師器・木器など、多種多量に上る副葬品が出土した。

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改訂新版 世界大百科事典 「金鈴塚古墳」の意味・わかりやすい解説

金鈴塚古墳 (きんれいづかこふん)

千葉県木更津市長須賀に所在する前方後円墳で,小櫃川下流左岸の沖積地に築成された古墳群の一つ。本来は全長95m,後円部径55m,高さ6m,前方部幅72mと推定されるが,墳丘はほとんど失われている。わずかに残る後円部には全長約10mの無袖形横穴式石室があり,そこを1950年に千葉県史蹟調査委員会が調査した。6世紀末から7世紀前葉にかけての組合せ式石棺と,石室奥,羨道に3体の追葬を確認し,それに伴う豊富な副葬品の存在を明らかにした。副葬品は青銅鏡・玉類・金環などの装身具,飾大刀・銀装弓・鉄矛・衝角付冑・挂甲(けいこう)などの武器武具,鞍・壺鐙・杏葉(ぎようよう)・鏡板・雲珠(うず)・馬鐸などの飾馬具,ほかに銅容器,飾金具,金銅翳(こんどうさしは)(団扇説あり),土師器(はじき),須恵器,それに本古墳の名ともなった黄金の鈴など注目すべき遺品が多い。なかでも,舶載品を含む新古形式の18口の飾大刀は,東国の古墳文化を性格付ける重要な資料である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金鈴塚古墳」の意味・わかりやすい解説

金鈴塚古墳
きんれいづかこふん

千葉県木更津(きさらづ)市長須賀(ながすか)の沖積地にある前方後円墳。古墳時代後期後半に属する。1950年(昭和25)早稲田(わせだ)大学により調査が行われた。墳丘は後円部の大半と前方部の一部を残すのみであったが、原形は三段築成で全長95メートル、後円部径55メートル、前方部幅72メートル。後円部に凝灰岩切石積(きりいしづみ)の袖無型横穴式石室があり、ほぼ中央部に緑泥片岩の組合せ式箱形石棺がある。副葬品には、本古墳の名称を二子塚(ふたごづか)から金鈴塚に改称させる因となった金鈴5個をはじめ、鏡、銅鋺(どうわん)、大刀、刀子(とうす)、鉄鏃(てつぞく)、玉類、金糸銀糸金製歩揺、金銅製飾金具、衝角付冑(しょうかくつきかぶと)、挂甲(けいこう)、金銅製馬具類、馬鐸(ばたく)、須恵器(すえき)、土師器(はじき)など多数がある。大刀には環頭、圭頭(けいとう)、円頭、頭椎(かぶつち)、鳥首、方頭の各形式のものを含む。副葬品は、木更津市太田山(おおだやま)公園中腹の県立上総(かずさ)博物館と金鈴塚遺物保存館に分けて陳列されている。

[久保哲三]

『滝口宏他著『上総金鈴塚古墳』(1952・早稲田大学考古学研究室)』

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百科事典マイペディア 「金鈴塚古墳」の意味・わかりやすい解説

金鈴塚古墳【きんれいづかこふん】

千葉県木更津市長須賀にある前方後円墳。後円部に横穴式石室があり,石棺とともに副葬品として玉類・金環等の装身具,武器,須恵器,名称の由来となった5個の金鈴などが出土。
→関連項目木更津[市]

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