製三神五獣鏡・変形四獣鏡、装飾大刀一七本(環頭・圭頭・円頭・方頭・頭椎・鳥首)、衝角付冑・挂甲、金銅装馬具三セット、鉄鉾・鉄鏃・弓弭・鹿角装刀子・斧・金鈴・銀製垂飾・金糸・銀糸・飾金具類・金銅製飾履・金銅耳環三対・櫛・銅鋺・玉類・須恵器・土師器・木器など、多種多量に上る副葬品が出土した。
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千葉県木更津市長須賀に所在する前方後円墳で,小櫃川下流左岸の沖積地に築成された古墳群の一つ。本来は全長95m,後円部径55m,高さ6m,前方部幅72mと推定されるが,墳丘はほとんど失われている。わずかに残る後円部には全長約10mの無袖形横穴式石室があり,そこを1950年に千葉県史蹟調査委員会が調査した。6世紀末から7世紀前葉にかけての組合せ式石棺と,石室奥,羨道に3体の追葬を確認し,それに伴う豊富な副葬品の存在を明らかにした。副葬品は青銅鏡・玉類・金環などの装身具,飾大刀・銀装弓・鉄矛・衝角付冑・挂甲(けいこう)などの武器武具,鞍・壺鐙・杏葉(ぎようよう)・鏡板・雲珠(うず)・馬鐸などの飾馬具,ほかに銅容器,飾金具,金銅翳(こんどうさしは)(団扇説あり),土師器(はじき),須恵器,それに本古墳の名ともなった黄金の鈴など注目すべき遺品が多い。なかでも,舶載品を含む新古形式の18口の飾大刀は,東国の古墳文化を性格付ける重要な資料である。
執筆者:馬目 順一
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千葉県木更津(きさらづ)市長須賀(ながすか)の沖積地にある前方後円墳。古墳時代後期後半に属する。1950年(昭和25)早稲田(わせだ)大学により調査が行われた。墳丘は後円部の大半と前方部の一部を残すのみであったが、原形は三段築成で全長95メートル、後円部径55メートル、前方部幅72メートル。後円部に凝灰岩切石積(きりいしづみ)の袖無型横穴式石室があり、ほぼ中央部に緑泥片岩の組合せ式箱形石棺がある。副葬品には、本古墳の名称を二子塚(ふたごづか)から金鈴塚に改称させる因となった金鈴5個をはじめ、鏡、銅鋺(どうわん)、大刀、刀子(とうす)、鉄鏃(てつぞく)、玉類、金糸銀糸金製歩揺、金銅製飾金具、衝角付冑(しょうかくつきかぶと)、挂甲(けいこう)、金銅製馬具類、馬鐸(ばたく)、須恵器(すえき)、土師器(はじき)など多数がある。大刀には環頭、圭頭(けいとう)、円頭、頭椎(かぶつち)、鳥首、方頭の各形式のものを含む。副葬品は、木更津市太田山(おおだやま)公園中腹の県立上総(かずさ)博物館と金鈴塚遺物保存館に分けて陳列されている。
[久保哲三]
『滝口宏他著『上総金鈴塚古墳』(1952・早稲田大学考古学研究室)』
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