雄山神社(読み)おやまじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「雄山神社」の意味・読み・例文・類語

おやま‐じんじゃをやま‥【雄山神社】

  1. 富山県中新川郡立山町、立山の山頂にある神社。旧国幣小社。祭神は天手力雄命(あまのたぢからおのみこと)伊邪那岐命(いざなぎのみこと)。古代の山岳信仰に発する。大宝元年(七〇一)創祀。雄山(たけやま)権現立山権現

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日本歴史地名大系 「雄山神社」の解説

雄山神社
おやまじんじや

雄山山頂のみね本社(現峯一番地)芦峅寺あしくらじの祈願殿、岩峅寺の前立いわくらじのまえたて社壇の三社からなる三位一体の神社。旧国幣小社。全国的に山頂および山麓の二社形式による神社は多いものの、三社形式は長野県戸隠とがくし神社・栃木県二荒山ふたらさん神社など数少ない。またかつて三社形式であった加賀白山社や二荒山神社などは本社が山麓に位置するのに対し、立山の場合は山頂に本社を配する。おそらく神体山としての立山を重視する立場から、こうした形態をとったものであろう。祭神は主神が伊邪那岐命、副神が手力雄命で、神仏混淆の立場からすると、両神の本地仏は阿弥陀如来と不動明王となる。両神の存在は一七世紀後半から一八世紀初めに古記録類にみえる(「和漢三才図会」など)


雄山神社
おやまじんじや

[現在地名]峰浜村目名潟字岩子

白雲山雄山大権現ともいい、熊野三山大権現を祀って修験の崇敬を集め、のちに両部神道の例にならって阿弥陀・薬師・観音の三像を安置したといわれる。小山神社とも記し、女人禁制であった。開基は天平(七二九―七四九)の頃に行基によると伝えられ、最盛期には近辺に天台宗の坊が立ち並び、畠谷はたや村にも坊があったという。その後、高岩たかいわ山(現二ッ井町荷上場にあげば)の本尊山寺(現山形県)に遷座したので雄山権現は高岩山に移り、岩子いわこ村の旧跡に改めて三像が安置されたが、衰退は免れなかった(「白雲山雄山権現由緒書写」佐々木氏蔵)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雄山神社」の意味・わかりやすい解説

雄山神社
おやまじんじゃ

富山県中新川(なかにいかわ)郡立山(たてやま)町に鎮座。祭神は天手力男命(あめのたじからおのみこと)、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)。北アルプス立山の山頂にあり、山麓(さんろく)の芦峅寺(あしくらじ)地区には中宮祈願殿、岩峅寺(いわくらじ)地区には前立社壇(本殿は国の重要文化財)がある。立山は『万葉集』にも詠まれ、山岳信仰の中心地として修験者(しゅげんじゃ)の広い信仰を集め、立山権現(ごんげん)ともいわれた。701年(大宝1)、越中(えっちゅう)(富山県)国司佐伯有若(さえきありわか)の子、有頼(ありより)の創祀(そうし)と伝え、『延喜式(えんぎしき)』では小社に列した。旧国幣小社。例祭7月25日。4月8日、前立社壇で、代々の社家佐伯家が奉仕して行われる春祭(古式祭)は有名。秋祭は11月3日。社宝の佐伯有頼木像は国の重要文化財に指定されている。

[飯尾直樹]


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百科事典マイペディア 「雄山神社」の意味・わかりやすい解説

雄山神社【おやまじんじゃ】

雄山(たけやま)権現,立山権現とも。富山県中新川郡立山町岩峅寺(いわくらじ)に鎮座する旧国幣小社。祭神は伊邪那岐(いざなぎ)命。立山崇拝に起源。701年の建立といい,本殿は立山山頂,祈願所は芦峅寺(あしくらじ),前立社壇が岩峅寺にある。古く修験道の霊場として知られ,白山,富士と並称される。越中国一宮,延喜式内社とされる。例祭7月25日。芸能として古式稚児(ちご)舞が行われる。
→関連項目雄山

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デジタル大辞泉プラス 「雄山神社」の解説

雄山神社

富山県中新川郡立山町にある神社。“雄山”は「おやま」と読む。701年創祀とされる。祭神は伊邪那岐神(いざなぎのかみ)、天手力雄神(あめのたぢからおのかみ)。越中国一之宮。立山を神山とする。

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世界大百科事典(旧版)内の雄山神社の言及

【立山】より

…西側には,室堂平,天狗平,弥陀ヶ原といった溶岩台地が広がり,これらの緩斜面の南側に位置する国見岳(2621m)や天狗山(2600m)は立山旧火山のカルデラ壁である。雄山山頂には雄山神社峰本社がある。東側は黒部峡谷を隔てて後立山連峰へと続く。…

※「雄山神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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