いろいろの種類の田地をいう。日本古代の律令制下では,口分田や乗田以外に,その用途にしたがって神田,寺田,駅田,放生田,勅旨田,公廨(くがい)田,御巫(みかんなぎ)田,采女田,国造田,射田,健児(こんでい)田,学校田,勧学田,左右馬寮田,典薬寮田,易田,職写戸田,膂力婦女田,惸独(じゆんどく)田,船瀬功得田,造船瀬料田,位田,品田,職田,功田,賜田,出家得度田等,いろいろの種類の田地があった。これらの中には不輸租田のものもあれば輸租田あるいは輸地子田のものもあった。これら諸田の幾つかを総称する場合に雑色田という言葉を用いたのである。《類聚国史》には,延暦12年(793)7月15日,山城国の雑色田を停め百姓に口分田として班給したという記事がみえる。
執筆者:泉谷 康夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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