雑色田(読み)ゾウシキデン

デジタル大辞泉 「雑色田」の意味・読み・例文・類語

ぞうしき‐でん〔ザフシキ‐〕【雑色田】

奈良平安時代特定費用に充てるために定められた田地放生田ほうじょうでん采女田うねめでん節婦田・唐人田など。ざっしきでん。

ざっしき‐でん【雑色田】

ぞうしきでん(雑色田)

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精選版 日本国語大辞典 「雑色田」の意味・読み・例文・類語

ぞうしき‐でんザフシキ‥【雑色田】

  1. 〘 名詞 〙 奈良・平安時代、各種の特定の用途のために設定された田地。広義には乗田公田)以外の口分田職田位田功田など私人に占有されている田地をいうが、通常国写田職写田勅旨田など特別に設定されたものをいう。不輸租輸租両様があった。
    1. [初出の実例]「葛野郡百姓口分田、多入都中、宜停山背国雑色田百姓、其代於四畿内置」(出典類聚国史‐一八二・仏道九・寺田地・延暦一二年(793)七月辛卯)

ざっしき‐でん【雑色田】

  1. 〘 名詞 〙ぞうしきでん(雑色田)

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改訂新版 世界大百科事典 「雑色田」の意味・わかりやすい解説

雑色田 (ぞうしきでん)

いろいろの種類の田地をいう。日本古代の律令制下では,口分田や乗田以外に,その用途にしたがって神田,寺田,駅田,放生田,勅旨田,公廨(くがい)田,御巫(みかんなぎ)田,采女田,国造田,射田,健児(こんでい)田,学校田,勧学田,左右馬寮田,典薬寮田,易田,職写戸田,膂力婦女田,惸独(じゆんどく)田,船瀬功得田,造船瀬料田,位田,品田,職田,功田,賜田,出家得度田等,いろいろの種類の田地があった。これらの中には不輸租田のものもあれば輸租田あるいは輸地子田のものもあった。これら諸田の幾つかを総称する場合に雑色田という言葉を用いたのである。《類聚国史》には,延暦12年(793)7月15日,山城国の雑色田を停め百姓に口分田として班給したという記事がみえる。
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