電子冷凍(読み)でんしれいとう

デジタル大辞泉の解説

でんし‐れいとう【電子冷凍】

異種の金属接触点電流を流し、熱を発生・吸収させるペルティエ効果を利用した冷却技術。ビスマステルル半導体を多段に配列して冷却効率を高めたものなどがある。小型の冷蔵庫やパソコンのCPUから宇宙空間における電子機器まで、さまざまな用途で使用される。熱電冷却

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百科事典マイペディアの解説

電子冷凍【でんしれいとう】

学術的には熱電冷却という。ペルチエ効果を利用して低温を得る方法。現在一般に用いられるのは,ビスマス・アンチモン・テルルの合金(p形半導体)とビスマス・テルル・セレンの合金(n形半導体)を組み合わせた熱電素子で,これに直流を流すと接点の一方が発熱,他方が吸熱して冷凍効果を生じる。熱電素子を多数接続した冷蔵庫が試作され,可動部分がないため音が出ず故障が少なく,電流の向きを変えるだけで冷却を加熱に変えられるなどの特徴があるが,効率が悪く熱電材料が高価など欠点があり実用化は困難。しかし小型恒温槽(そう),携帯用冷却箱など小型理化学用品が実用化されている。
→関連項目熱電半導体素子冷凍

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大辞林 第三版の解説

でんしれいとう【電子冷凍】

異種の導体の接点に電流を流すと熱の放出または吸収が起こることを利用した冷凍法。ビスマスとテルルの n 形、 p 形半導体を接触させ多段に配列して用いる。半導体素子のような小体積を冷却する場合に用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電子冷凍
でんしれいとう
electronic freezer

ペルチエ効果を利用して冷凍する方法。ペルチエ効果とは、2種の導体を接続して電流を流した場合、電流の方向に応じて接合部に発熱と吸熱を生ずる現象である。この効果を利用した素子をペルチエ素子、電子冷却素子ともいう。
 ペルチエ素子はn形とp形の半導体を銅板でつないだもので、n形→銅板→p形方向に電流を流すと、銅板との接合点で吸熱がおこる。発熱は電流の入力、出力部の銅との接合点で生ずる。使用するp形半導体にはビスマス、アンチモン、テルルの合金が使われ、n形半導体にはビスマス、テルル、セレンの合金が用いられている。特性は、合金に加える不純物の種類、量により変動させることができ、この種の合金を適当に組み合わせ積重したものでは、最大60~70℃の温度降下が得られている。
 ペルチエ素子は、普通の冷凍装置と異なりモーターもフレオンガスも不要であるため、雑音が少ない、寿命が長い、電流方向を逆にすると発熱素子にもなるので冷温両用装置として使える、温度制御が容易などの特長をもっている。しかし、効率が悪く、素子も高価という欠点もある。
 現在、小型であまり吸熱量が要求されない冷温両用の恒温槽、携帯用冷却箱、写真現像用冷却バットのほか、局所冷却にも適する利点を利用して、顕微鏡試料冷却装置、熱電対校正用の氷点装置、露点式湿度計の被検ガス冷却部などが製品化されている。ペルチエ素子を多数交互に組み込んでモジュール化した熱電冷却モジュールも市販されている。この方法は、無重力下でも動作するため宇宙船内で使用され、また遠隔地でも電気制御ができるので無人基地などに使用されている。[岩田倫典]

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精選版 日本国語大辞典の解説

でんし‐れいとう【電子冷凍】

〘名〙 二種の金属を接合して電流を通すと、一方は温度が上がり他方は温度が下がるというペルティエ効果を利用して低温にする方法。

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