出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
鹿児島県と宮崎県の県境付近に位置する霧島火山群の最高峰。安山岩質の砕屑(さいせつ)丘で,山体の比高は約600m,標高は1700mに達する。山頂にはほぼ円形で直径800~900m,深さ100~280mの火口がある。火口壁上部は絶壁をなし,砕屑丘を構成する溶結した火砕岩が露出している。火口底は平たんな草地で,雨季には一時的に水がたまることがある。外側斜面上には多くの浅い浸食谷(放射谷)が発達し,また斜面のほとんどが密な植生で覆われている。北西側山腹と南東側山麓には爆裂火口があり,後者は琵琶池と呼ばれ,雨季には水がたまる。山体は約2万2000年前から約6000年前の間のある時期に形成された。歴史時代における噴火の記録や噴気活動はないが,北西麓にある硫黄山では現在でも噴気活動が盛んである。北西麓には,国立公園霧島の観光の一拠点であるえびの高原がある。
→霧島山
執筆者:横山 勝三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
宮崎県の南西部、鹿児島県境に位置する霧島火山の最高峰。標高1700メートル。直径約900メートル、深さ約280メートルの大火口をもつホマーテ型火山(臼状火山(うすじょうかざん))。北西部、南東部斜面には爆裂火口があり、山腹を大きくえぐっている。北西部爆裂火口の麓(ふもと)には寄生火山硫黄山(いおうやま)があり、噴気活動が激しい。付近は火山弾、溶岩の原である。山体は山頂、火口を除き、針葉樹、落葉樹林に覆われ、山頂部のミヤマキリシマ群落と北側の赤松樹林の景観は美しい。冬季は氷点下の季節風による樹氷現象もみられる。西部はえびの高原に連なり、韓国岳との標高差は約500メートルである。霧島錦江湾(きりしまきんこうわん)国立公園に属する。
[横山淳一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…北西~南東方向に伸びる楕円状の地域(長径約30km,短径約20km)に大小20余りの火山体や火口が存在する。韓国(からくに)岳(1700m)を最高峰に,標高1300mをこえる山体は10以上におよぶ。中生代堆積岩類(四万十層群)および第三紀安山岩類を基盤として,第四紀初頭に噴火活動が始まった。…
※「韓国岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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