鹿児島県・宮崎県にまたがる霧島山の北西から南西部にわたる温泉の総称。九州では
伝承によると、霧島温泉は戦国時代に発見されたといわれ、元亀元年(一五七〇)頃に日向の伊東氏と戦闘を繰返していた島津義弘が、霧島山越の途次に
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
広義には鹿児島県北東部から宮崎県にまたがる霧島山周辺のすべての温泉を含む地域であるが,普通は霧島山南西斜面の標高600~800mにある諸温泉地帯をいう。大部分は鹿児島県霧島市の旧牧園町に属し,明礬(みようばん),硫黄谷,栄之尾,林田,丸尾,栗川などのほか,10以上の泉源がある。泉温は60℃以上,泉質は硫化水素泉,酸性ミョウバン泉,食塩泉などである。200年以上前に発見され,利用されていたが,当時は馬や駕籠で訪れる自炊客が主であった。1914年牧園~霧島温泉間,33年霧島神宮~丸尾間の道路開通で浴客がふえ,設備も整い始めた。また1929年には県内バス事業の開拓者林田熊一が栄之尾温泉付近に新温泉を開発,ホテルその他の施設を整備して以来林田温泉として発展し,霧島温泉郷の中心となった。霧島屋久国立公園に属し,自然に恵まれ,展望もよく,鹿児島県観光の一中心をなしている。鹿児島市からバスの便(約1時間半)があり,JR日豊本線霧島神宮駅,肥薩線霧島温泉駅からそれぞれバスで40分ほどである。
執筆者:服部 信彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
宮崎・鹿児島県境にそびえる霧島火山群南西面中腹に湧出(ゆうしゅつ)している温泉群の総称。霧島市に属し、標高600メートル付近に点在する。林田、丸尾、湯之谷、硫黄谷(いおうだに)の観光温泉のほか、湯治向きの新湯、明礬(みょうばん)、関平(せきびら)、栄之尾(えいのお)温泉などがある。この付近には多くの噴気孔が存在し、泉温は60℃以上、泉質は硫黄泉、含アルミニウム泉、塩化物泉と豊富である。霧島火山一帯は阿蘇(あそ)、雲仙(うんぜん)と並び九州屈指の山の観光地で、早くから国立公園に指定され、年間200万以上の客が訪れる。なお、東方の旧霧島町域の温泉群は霧島神宮温泉郷と称している。付近には不動池、白紫(びゃくし)池など火口湖のあるえびの高原や、韓国(からくに)岳、高千穂峰(たかちほのみね)などがある。JR日豊(にっぽう)本線霧島神宮駅、肥薩(ひさつ)線霧島温泉駅からバスの便がある。
[塚田公彦]
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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