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飛駅 ヒエキ

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デジタル大辞泉の解説

ひ‐えき【飛駅】

律令制駅制で、緊急の場合に用いられた施設とその使者。
中世以後、早馬(はやうま)飛脚などによって緊急の連絡をすること。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひえき【飛駅】

日本古代の駅伝制における最速の駅使。〈ひやく〉ともいう。1日に10駅以上,すなわちほぼ160km以上を通過する。令(りよう)には地方長官や派遣軍の将軍が飛駅を使って中央に報告すべき場合が7条規定されているが,いずれも国家の内政,外交,軍事にかかわる緊急事態発生の場合であり,中央からも勅によって随時派遣された。飛駅の使人には,中央では馬寮(めりよう)の馬部,地方でも通常は下級官人から選ばれ,令に規定された書式の文書を納めた函を革袋で包んで携行し,駅ごとに駅馬を乗りかえて急行するが,使人は目的地に着くまで交代しない。

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大辞林 第三版の解説

ひえき【飛駅】

律令制下、緊急の公用を伝える使い。駅馬を使用する。
中世以後、騎馬・徒歩による緊急の連絡。また、その使者。はやづかい。飛脚。早馬。早打ち。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

飛駅
ひえき

「ひやく」とも。律令制下において、中央と諸国・軍所との間で緊急事態の連絡のために駅使を派遣すること。公式令(くしきりょう)には、中央から在外諸司に勅を下達する書式である飛駅下式と、逆に在外諸司から中央へ上奏する書式である飛駅上式が定められている。外蕃(げばん)に没落していた人が還(かえ)ってきたときや、化外(けがい)の人が帰化を願い出たときに飛駅を発すると規定する(戸令(こりょう)没落外蕃条)ほか、諸国の大瑞(だいずい)・軍機・災異・疾疫・境外消息については馳駅(ちえき)して報告すると定められている(公式令国有瑞条)。飛駅と馳駅について、『令集解(りょうのしゅうげ)』の明法家(みょうぼうか)の諸説では、飛駅は逓送による使者、馳駅は専使によると注釈して違いを説く(戸令没落外蕃条・公式令飛駅式条)が、実態においては両者に区別はなかったと見られる。使者の行程は1日に10駅以上とされ(公式令給駅伝馬条)、740年(天平12)の事例でも大宰府(だざいふ)から平城京間を足かけ4日で連絡したことがみえている(『続日本紀(しょくにほんぎ)』)。『儀式』飛駅儀に勅符(ちょくふ)作成と使者発遣の儀式次第が定められており、平安時代にも、遣唐使の帰還や渤海使(ぼっかいし)来着、地方の反乱勃発などに際して飛駅による連絡が行われた事例が見られる。[加藤友康]
『坂本太郎著『古代の駅と道』(『坂本太郎著作集8』所収・1989・吉川弘文館) ▽青木和夫著『日本律令国家論攷』(1992・岩波書店) ▽田名網宏著『古代の交通』新装版(1995・吉川弘文館) ▽永田英明著『古代駅伝馬制度の研究』(2004・吉川弘文館) ▽森哲也著「律令制下の情報伝達について―飛駅を中心に」(『日本歴史571』所収) ▽柳雄太郎著「公式令飛駅式と勅符式について」(『日本歴史283』所収)』

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世界大百科事典内の飛駅の言及

【駅伝制】より

…すなわち朝廷は特別会計の駅起稲(えききとう)・駅起田(えききでん)(後の養老令では駅稲・駅田)を各国に設置させ,これを財源として畿内の都から放射状に各国の国府を連絡する東海・東山・北陸・山陰・山陽・南海・西海の7道をそのまま駅路とし,駅路には原則として30里(約16km)ごとに駅を置かせ,駅ごとに常備すべき駅馬は大路の山陽道で20匹,中路の東海・東山両道で10匹,他の4道の小路では5匹ずつとし,駅の周囲には駅長や駅丁を出す駅戸を指定して駅馬を飼わせ,駅家(うまや)には人馬の食料や休憩・宿泊の施設を整え,駅鈴を貸与されて出張する官人や公文書を伝送する駅使が駅家に到着すれば,乗りつぎの駅馬や案内の駅子を提供させることとした。その結果,もっとも速い飛駅(ひえき∥ひやく)という駅使は,大宰府から4~5日,蝦夷に備えた陸奥の多賀城からでも7~8日で都に到着することができた。このような駅制の利用が急を要する公務出張や公文書伝送に限られたのに対し,国司の赴任や国内巡行などは伝馬制によった。…

【飛脚】より

…ただ鎌倉時代に早馬は多分に幕府の駅逓制度にからむ公的名辞であったのに対し,飛脚は私的な場合に使用されることが多い。飛脚の語源は古代律令制度下の飛駅と,その後現れた脚力の二つを織り合わせたものかとの説もある。【新城 常三】
[近世]
 近世の飛脚については,まず幕府が宿駅制度の下で実施した公用の継飛脚があり,各宿に人足が置かれ,川留解除には最初に渡河した。…

【駅伝制】より

…すなわち朝廷は特別会計の駅起稲(えききとう)・駅起田(えききでん)(後の養老令では駅稲・駅田)を各国に設置させ,これを財源として畿内の都から放射状に各国の国府を連絡する東海・東山・北陸・山陰・山陽・南海・西海の7道をそのまま駅路とし,駅路には原則として30里(約16km)ごとに駅を置かせ,駅ごとに常備すべき駅馬は大路の山陽道で20匹,中路の東海・東山両道で10匹,他の4道の小路では5匹ずつとし,駅の周囲には駅長や駅丁を出す駅戸を指定して駅馬を飼わせ,駅家(うまや)には人馬の食料や休憩・宿泊の施設を整え,駅鈴を貸与されて出張する官人や公文書を伝送する駅使が駅家に到着すれば,乗りつぎの駅馬や案内の駅子を提供させることとした。その結果,もっとも速い飛駅(ひえき∥ひやく)という駅使は,大宰府から4~5日,蝦夷に備えた陸奥の多賀城からでも7~8日で都に到着することができた。このような駅制の利用が急を要する公務出張や公文書伝送に限られたのに対し,国司の赴任や国内巡行などは伝馬制によった。…

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