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食虫類 しょくちゅうるいInsectivora

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

食虫類
しょくちゅうるい
Insectivora

哺乳綱食虫目に属する動物の総称。体制は最も原始的である。大脳は小さくて皺も少い。前肢には5本の指があり,鉤爪をもつ。多くは眼や耳が小さいか,または退化している。オーストラリア,南極を除き世界各地に分布し,地上,地下または水中で生活している。現生のものはハリネズミモグラテンレックキンモグラソレノドントガリネズミの6科に分けられ,360種あまりが知られている。

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百科事典マイペディアの解説

食虫類【しょくちゅうるい】

哺乳(ほにゅう)類の一目。5指に鉤爪(かぎづめ)をもち,蹠行(せきこう)性または半蹠行性,虫食性を特徴とし,真獣下綱の中で最も原始的。南米,オーストラリア以外の全世界に分布。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょくちゅうるい【食虫類 insectivore】

真獣下綱食虫目Insectivoraに属する哺乳類の総称。単孔目と有袋目以外の哺乳類,すなわち一子宮類あるいは有胎盤類といわれる真獣類のうち,もっとも原始的と見られる哺乳類の一群で,ジネズミモグラハリネズミなどを含む。体は小さく,四肢が短く,前・後足にかぎづめを備えた5指をもち,足裏をつけて歩く蹠行(しよこう)性。吻端(ふんたん)部は細長く,口よりも前に突出して可動性。目は小さく,足の甲や尾にはふつううろこがある。

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大辞林 第三版の解説

しょくちゅうるい【食虫類】

食虫目の哺乳類の総称。真獣類の中で、最も原始的で知能も低く、主に環形動物や節足動物を食物とする。南米の一部とオーストラリアを除き、広く分布。ハリネズミ・トガリネズミ・モグラや、哺乳類中最小とされるコビトジネズミなどが属す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

食虫類
しょくちゅうるい
insectivores

哺乳(ほにゅう)綱食虫目に属する動物の総称。この目Insectivoraの仲間は、単孔類、有袋類以外の哺乳類(真獣類)のうちでもっとも原始的とみられる食虫性の小獣類である。一般に体は小さく、なかにはコビトジネズミやトウキョウトガリネズミなど頭胴長4センチメートルほどの最小の哺乳類を含む。四肢は短小かつ蹠行(しょこう)性で、腹を地面につけるか、ほとんどつけるようにして歩く。指は普通5本で鉤(かぎ)づめを備え、吻(ふん)の前部は長く、口よりも前に突出していて可動性。目は小さく視力が弱く、耳殻が普通小さく、足の甲や尾には鱗(うろこ)がある。歯は普通44本(真獣類の基本型)、臼歯(きゅうし)には3~5個の鋭い突起があって、食物を切り砕くことはできるが、すりつぶすには適していない。大脳は小さく表面が平滑で、知能が低い。陰嚢(いんのう)がなく、しばしば総排出腔(こう)があり、胎盤は円盤状をしている。
 オーストラリア区、南極大陸、南アメリカの中部以南を除き、ほとんど世界中に分布し、熱帯から寒帯、低地から高山までのあらゆる環境にすむ。樹上生のものはなく、地上または地下生、まれに淡水生。普通単独で生活し、昼夜とも活動して、昆虫、ミミズなどの無脊椎(むせきつい)動物を主食とする。ソレノドン、ブラリナトガリネズミなどは、獲物にかみついて顎下腺(がっかせん)から分泌する毒液を注入し、弱らせてとらえる。またトガリネズミは超音波を発して進路を探り、ハリネズミなどは冬眠する。
 かつては、この類から他のすべての真獣類が分かれ出たと考えられていたが、近年では、この類から出たことが確かなのは皮翼目、翼手目、霊長目ぐらいしかなく、間接に関係があるのは有蹄(ゆうてい)目、食肉目などで、貧歯目、有鱗(ゆうりん)目、齧歯(げっし)目、ウサギ目などはこの類の子孫ではないと考えられるようになった。現生のものは、西インド諸島のソレノドン科(ソレノドン2種)、マダガスカル島とアフリカのテンレク科(テンレク、ポタモガーレなど33種)、アフリカのキンモグラ科(キンモグラ17種)、ユーラシアとアフリカのハリネズミ科(ジムヌラ、ハリネズミ17種)、アフリカ、ユーラシア、北アメリカ、南アメリカ北部のトガリネズミ科(トガリネズミ、ジネズミ、ジャコウネズミ、カワネズミなど約246種)、ユーラシアと北アメリカのモグラ科(モグラ、ヒミズ、デスマンなど約29種)、およびアフリカのハネジネズミ科(ハネジネズミ15種)の7科約360種がある。最後のハネジネズミ科は盲腸をもち、目がよく発達し、なかば指行性でカンガルーのように後肢で跳躍するほか、かかとの関節なども他の食虫類と違うので、近年ではウサギ目に近い独立の目とされることがある。[今泉吉典]

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