馬追丘陵(読み)まおいきゆうりよう

日本歴史地名大系 「馬追丘陵」の解説

馬追丘陵
まおいきゆうりよう

「うまおい」ともいう。馬追の地名は山川地理取調図にみえる「マヲイトウ」(マヲイ沼)にさかのぼる。夕張山地の西縁に前山として北北西から南南東方向に、西側に緩い弧状を描き、長さ約三〇キロに及ぶ。東側は由仁安平ゆにあびら低地、西側は石狩勇払ゆうふつ低地帯、北部は夕張川の先行谷で限られ、北部の空知支庁長沼ながぬま町・由仁ゆに町境の馬追山(最高点二二九・四メートル)付近から南部へしだいに高度を減じ、なだらかな形態を示す。丘陵の範囲はほぼ長沼町由仁町境から、南の追分おいわけ町・早来はやきた町・千歳市の境付近に延びている。地質的には夕張山地より若い新第三紀層からなり、とくに隆起運動は新第三紀後半に活発になり(五万分の一地質図幅「追分」)、丘陵に成長した。

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改訂新版 世界大百科事典 「馬追丘陵」の意味・わかりやすい解説

馬追丘陵 (まおいきゅうりょう)

〈うまおい〉ともいう。北海道,石狩平野の南東方に位置し,北は空知支庁長沼町から,南は胆振(いぶり)支庁安平(あびら)町に至る延長約30km,幅5~8kmの北高南低のなだらかな背斜丘陵で,最高点の標高は273m。南部をとくに早来丘陵ともいう。北部はジャガイモなどの畑作やリンゴ栽培,南部では酪農が行われる。北部山麓に馬追(うまおい)温泉(単純硫黄泉,16℃),南麓に鶴の湯温泉(純食塩泉,11℃)がある。東麓を室蘭本線,国道234号線が通る。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬追丘陵」の意味・わかりやすい解説

馬追丘陵
うまおいきゅうりょう

北海道中南部、夕張山地の西側にある丘陵。「まおい」ともいう。南北に長く約30キロメートル、東西の幅5~6キロメートルで、東方の由仁(ゆに)、安平(あびら)低地を石狩平野から分断する。最高点は北部の馬追山(273メートル)で、自衛隊のミサイル基地が置かれる。基地設置をめぐって合違憲が争われた長沼裁判が行われ、世人の注目を集めた。丘陵北部はジャガイモ畑、牧草畑が多く、南部は火山灰地に多くの牧場が展開し、山麓(さんろく)周辺を含め道央最大の酪農地帯となっている。1981年(昭和56)開通のJR石勝線(せきしょうせん)の一部として、東の追分(おいわけ)駅から本丘陵を横断して千歳(ちとせ)空港(現、南千歳)駅に至る鉄道が完成し、道東への主要ルート上に位置することになった。

[柏村一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「馬追丘陵」の意味・わかりやすい解説

馬追丘陵
うまおいきゅうりょう

北海道南西部,夕張山地の南西端にある丘陵。夕張山地との間に由仁安平 (ゆにあびら) 低地をはさみ,夕張山地の前山を形成,西は石狩平野にのぞむ。幅5~7km,長さ 45kmにわたる標高 150~200mのなだらかな丘陵で,南部よりも北部が高く,最高所は長沼町の馬追山 (273m) 。背斜構造の山地で,おもに新第三紀層,第四紀層から成る。山麓から中腹の緩斜面にかけて,畑作と酪農が行われる。

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世界大百科事典(旧版)内の馬追丘陵の言及

【馬追丘陵】より

…〈うまおい〉ともいう。北海道,石狩平野の南東方に位置し,北は空知支庁長沼町から,南は胆振(いぶり)支庁早来(はやきた)町に至る延長約30km,幅5~8kmの北高南低のなだらかな背斜丘陵で,最高点の標高は273m。南部をとくに早来丘陵ともいう。北部はジャガイモなどの畑作やリンゴ栽培,南部では酪農が行われる。北部山麓に馬追(うまおい)温泉(単純硫黄泉,16℃),南麓に鶴の湯温泉(純食塩泉,11℃)がある。…

※「馬追丘陵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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