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骨盤位(さかご) こつばんいさかご Breech Presentation

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家庭医学館の解説

こつばんいさかご【骨盤位(さかご) Breech Presentation】

[どんな病気か]
 胎児(たいじ)の頭が上になり、足やお尻が下になった姿勢で母体のおなかの中にいる状態を、骨盤位(さかご)といいます。
 分娩(ぶんべん)時に胎児は、頭を下に足を上にした姿勢で生まれてくることがほとんどです。この胎児の頭が下になった姿勢でおなかの中にいる状態を、頭位(とうい)といいます。
 胎児は、最初は羊水(ようすい)の中に浮かんで自由に動きまわっているので、妊娠23週ごろは、骨盤位の率は50~70%にみられます。それが妊娠27週ごろから、予定日に近づくにつれて頭位になっていき、妊娠39週以降では、骨盤位の全妊娠に占める割合は、3~4%となります。
 分娩時までに頭位になってしまえば問題はないのですが、なかには、予定日が近づいても頭位にならず、骨盤位のまま分娩を迎えることがあります。これを骨盤位分娩(こつばんいぶんべん)といい、頭位に比べて分娩時の危険が高く、母児におよぼす悪影響に注意が必要です。
[原因]
 低出生体重児(ていしゅっしょうたいじゅうじ)(コラム未熟児とは」)早産児(そうざんじ)、前置胎盤(ぜんちたいばん)(「前置胎盤/低置胎盤」)、胎盤の卵管角部付着、多胎妊娠(たたいにんしん)(「多胎妊娠とは」)、子宮の形態異常、子宮の変形(子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)(「子宮筋腫」)の合併など)、胎児の形態異常などの場合に多くみられますが、原因のはっきりしないものもあります。
[検査と診断]
 外診や内診でわかりますが、超音波検査やX線検査を行なえば、骨盤位の詳しい分類(単殿位(たんでんい)、複殿位(ふくでんい)、膝位(しつい)、足位(そくい))がわかります(図「骨盤位とその分類(一部)」)。
 一般的な頭位分娩とは異なり、骨盤位分娩は胎児の足やおしりが出たあと、頭が最後に娩出(べんしゅつ)されることになります。胎児は足やおしりより頭が大きいので、頭が産道(さんどう)を通過するときに、頭と骨盤の間に臍帯(さいたい)(へその緒(お))をはさんで圧迫してしまいます。この状態が長く続くと、胎児は仮死状態で生まれてくることになります。
 胎児をすみやかに分娩できないような場合、つまり産道の広さ、胎児の頭の大きさ、娩出前の胎児の状態などによって、骨盤位の30~50%は帝王切開(ていおうせっかい)が必要です。
 なお、骨盤位は陣痛(じんつう)開始前に破水(はすい)しやすく、子宮の収縮が強くなったら早めに安静をとること、そして、もし破水したらすぐ入院することが大事です。
[治療]
 骨盤位には、以下のようにいくつかの矯正法(きょうせいほう)がありますが、その有効性は明らかではありません。
 たとえば、母親が胸膝位(きょうしつい)という特別な体位をとる、鍼灸(しんきゅう)、妊婦水泳などや、また外回転術(がいかいてんじゅつ)といっておなかの外側から胎児をまわして頭位にする方法もありますが、破水や胎盤剥離(たいばんはくり)の報告もあり、注意が必要です。
 近年、社会的影響もあり、帝王切開の適応の拡大とともに、骨盤位における帝王切開の率の増加がみられます。帝王切開の適応については、病院によっても大きな差がみられますが、一般的には、児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう)(胎児の頭と母親の骨盤に不適合がある)およびその境界域、胎児の頭の過伸展(かしんてん)(あごのそらしすぎ)、足位、臍帯脱出、母体に合併症がある、高年初産、巨大児、早産、低出生体重児、分娩遷延(せんえん)(分娩が長引く)、子宮内胎児発育遅延、子宮筋腫の合併などがある場合は、帝王切開術の適応と考えられています。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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