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骨盤位 こつばんい

妊娠・子育て用語辞典の解説

こつばんい【骨盤位】

いわゆる「逆子(さかご)」です。通常、赤ちゃんは頭から出てきますが、おしりから出てくる場合を「臀位(でんい)」、足から出てくる「足位(そくい)」、立ち膝のような姿勢でひざから出てくる「膝位(しつい)」などがあります。全体で5%くらいの赤ちゃんがこうした位置になるといわれています。最近では赤ちゃんの安全のため、帝王切開をすることが多くなりました。

出典|母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(愛育病院院長)、子育て編:多田裕(東邦大学医学部名誉教授) 妊娠・子育て用語辞典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

こつばん‐い〔‐ヰ〕【骨盤位】

胎児が下半身を下にした状態にあること。逆子(さかご)。

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世界大百科事典 第2版の解説

こつばんい【骨盤位 breech presentation】

妊娠・分娩時における異常胎位の一つで,胎児の頭部よりも骨盤部が下にくる場合をいう(図)。俗に〈逆子(さかご)〉と呼ばれる。骨盤位は,妊娠第7月では30%にみられるが,しだいにその頻度は減少し,分娩時には3~4%になる。妊娠中期には羊水が比較的多く,胎児の移動が容易なために骨盤位にもなるが,末期には羊水が減少し,胎児の移動が制限されるので骨盤位の頻度も減少する。したがって早産には骨盤位が多い。その他の原因としては,多胎・奇形などの胎児の異常,子宮の奇形・腫瘍,羊水過多症,胎盤の子宮卵管角部付着,前置胎盤,狭骨盤,胎児の下肢伸展などが挙げられる。

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大辞林 第三版の解説

こつばんい【骨盤位】

子宮内の胎児が頭を上に座った状態にある胎位。逆児さかご

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

骨盤位
こつばんい
pelvic presentation

胎位の一つ。胎児の臀部または足が母体の下方に向っている状態で,俗に逆児 (さかご) という。妊娠8ヵ月頃までは自然に正常の位置に戻ることもある。9ヵ月以降は,外部から回転させて正常位に戻すこともあるが,多少の危険を伴う。骨盤位で分娩の際は,前期破水を起しやすい,娩出に時間がかかる,あるいは臍帯が先に子宮口あるいは腟に脱出して,胎児が危険に陥ることなどがあるので,十分注意を要する。陣痛が順調に起れば,自然の産道からの分娩も可能であるが,高年初産や陣痛微弱などの場合は,帝王切開が安全である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

骨盤位
こつばんい
pelvic presentation

胎児と子宮の長軸が平行になっている縦位のうち、胎児の下向部が下半身であるものをいい、俗に「さかご」とよばれる。もっとも下降してきている先進部によって4種に分けられる。
〔1〕単臀位(でんい)(純臀位) 下肢を伸展したまま股関節(こかんせつ)を屈曲して、臀部のみが先進してくるもの。
〔2〕複臀位 あたかも「あぐら」をかいているような姿勢で、臀部と両足が同時に先進してくるもの。
〔3〕膝位(しつい) 股関節を伸展させ、膝関節を屈曲して膝部が先進してくるもので、両膝(ひざ)同時に先進してくる場合を全膝位、片膝のみ先進してくる場合を不全膝位という。
〔4〕足位 股関節も膝関節も伸展したまま足が先進してくるもので、両足同時に先進してくる場合を全足位、片足のみ先進してくる場合を不全足位という。
 骨盤位は胎児が小さいときにはかなり高率でみられるが、2500グラム以上の胎児に限ってみると、その頻度は全分娩(ぶんべん)例の4%前後である。誘因としては次の四つが考えられる。(1)未熟児、形態異常、双胎など胎児の異常、(2)双角子宮、中隔子宮、子宮筋腫(きんしゅ)の合併など子宮の異常、(3)胎児の可動性が大きくなる羊水過多、子宮や腹壁の弛緩(しかん)がある場合、(4)胎児の下降が制限されるような前置胎盤や狭骨盤のある場合。
 胎児の予後は一般に正常の頭位分娩に比べて不良であるが、その原因は早産で胎児の未熟性そのものが死因となることが多い。また、頭位分娩では最大の頭部が少しずつ変形しながらゆっくり骨産道内を下降する応形機能を発揮するが、骨盤位では頭部が数分で骨産道内を通過してしまうためこの応形機能が十分に発揮されず、頭蓋(とうがい)内損傷をきたしたり、娩出時の牽引(けんいん)によって頸髄(けいずい)損傷などの分娩損傷をきたすこともある。臍部(さいぶ)(へそ)まで躯幹(くかん)が娩出されてくると、臍帯(へその緒(お))が骨産道と下降してきた児頭の間で圧迫されることも、予後を悪くさせる一因となる。足位や膝位の場合は前期破水や早期破水をきたすと、臍帯が頸管や腟内に脱出して予後を悪くする。骨盤位のうちでは単臀位の場合が70~80%を占め、しかもこの予後がもっともよく、臍帯脱出の危険性も頭位分娩と変わらない。複臀位の場合も単臀位と予後はほとんど変わらない。
 妊娠中に骨盤位が判明した場合は、放置して自然に頭位になるのを待つか、30~32週ころから妊婦が自分で胸壁と膝をくっつけるような体位を10~15分間とったのち横向きで寝るとか、介助者の手で腹壁上から頭位に直す外回転術を行うか、いずれかの方法で頭位になるものは頭位分娩を行う。骨盤位分娩は、陣痛といきみで娩出させる自然分娩か、胎児の肩甲上肢と児頭を介助者が牽出する部分牽出術か、最初から介助者が牽出する全牽出術が行われるが、一般には部分牽出術が多い。頭部の娩出には後続児頭鉗子(かんし)が用いられることもある。初産婦で、足位など予後の悪い胎位の場合には、最初から帝王切開が行われることもある。[新井正夫]

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