出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
長野県北部,長野市北端部に位置する山。〈たかづまやま〉ともいう。標高2353m。五地蔵山(1998m),乙妻山(2318m)とともに戸隠(とがくし)裏山とよばれ,広義には戸隠連峰に入る。山体は,第三紀の砂岩,レキ岩層中に貫入した安山岩類からなる残丘である。登山路は,戸隠山北東の五地蔵山を経て高妻山に至る尾根づたいの縦走路だけである。稜線上には懸崖や奇峰が並び立ち,一帯はブナの原生林やダケカンバ,コメツガなどの高山植物に富む。登山道には弥勒(みろく),観音,薬師など多数の石仏が立ち,山頂には阿弥陀仏などが安置され,信仰の山戸隠の裏山らしい風情がうかがえる。県内外の戸隠講信者は約30万人といわれ,その半数は毎年戸隠に参詣するが,高妻山まで足をのばす者も多い。
→戸隠山
執筆者:中村 三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
長野・新潟県境にある戸隠連峰(とがくしれんぽう)の一つ。標高2353メートル。中心の戸隠山の北部にあり、五地蔵(ごじぞう)山、乙妻(おとつま)山とともに戸隠裏山とよばれる。砂岩や礫(れき)岩など第三紀層を貫いて噴出したトロイデ状火山で、頂上は安山岩の岩峰をなす。頂上付近にはナナカマド、ツツジ、ミヤマハンノキなどの群落がある。山頂へは健脚向きの戸隠山から約5時間の行程。鎖場もあり健脚向き。
[小林寛義]
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