平安時代以降の礼装,束帯を構成する要素の一つで,石帯に下げた装飾品。サメ皮を張った長方形の小箱に金または銀の魚形をはりつけたもので,三位以上は金魚袋,五位以上は銀魚袋とされた。中国唐代の官制には魚符の制があり,朝廷に出入りする官吏はすべて官職氏名を記入した魚形の金属板を携えていた。これには金,銀,銅の区別があり,三品以上は金,五品以上は銀,六品以下銅とされたが,奈良時代の〈衣服令〉では,これにならって位袋(いたい)が定められた。位袋は色および腰につるす緒の色の組合せによって位階を区別するもので,袋の中に宮中出入りの門鑑に用いる魚形の金属板が入れてあった。しかし位袋の制度は701年(大宝1)から722年(養老6)までの22年間施行されただけで,その後は停止された。魚袋は位袋の名残をとどめているものといえ,平安時代初期の835年(承和2)ころから礼装に使われた。
執筆者:杉本 正年
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
公家(くげ)服装の付属品。朝服である束帯着用のときに腰に帯びる。中国、唐の魚符の制に倣ったもので、朝廷に出入するときの証契(通行証)が装飾品となった。着け方は肥瘠(ひせき)により異なるが、普通、石帯の第一、第二の石の間に結んで右腰に下げる。古代には、金または銀の魚形を位袍(いほう)と同じ生地でつくった袋に入れ、その紐(ひも)の結び数で階級の上下を分けたが、のちには、鮫皮(さめがわ)で包んだ小さな箱の表側に金または銀製の小さな魚の形6個、裏側に1個を飾り、その上に紫か緋(ひ)の組紐をつけた。金の魚袋は諸王および諸臣の三位以上、銀の魚袋は四位、五位の者が用いた。
[高田倭男]
より始まる。蓋(けだ)し以て符
と爲すなり。其の始は魚符と曰ふ。~宋、之れに因る。字通「魚」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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