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魚袋 ぎょたい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

魚袋
ぎょたい

平安時代以来,束帯姿のとき,右腰に下げて用いた装飾具。3×1× 0.5寸 (9×3× 1.5cm) の木箱に白いさめの皮を張り,金,銀の魚形の金具をつけ,紫または緋色の組紐をつけた。大嘗祭 (だいじょうさい) や節会の際に,参議以上および諸王は金装の,四位,五位の殿上人は銀装の魚をつけた。中国の唐代に,諸臣が宮中へ出入りする際,あかしとして用いた魚形の随身符を模したものといわれる。

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デジタル大辞泉の解説

ぎょ‐たい【魚袋】

古代以来、節会(せちえ)大嘗会(だいじょうえ)御禊(みそぎ)などの儀式において、束帯を着用した際に石帯の右腰につけた飾り具。木製の箱を白鮫(しろざめ)の皮で張り、金あるいは銀製の魚の形を表に六つ、裏に一つつけ、紫または緋の組紐をつけた。金魚袋は親王および三位以上、銀魚袋は四位・五位の者が使用。中国唐代の魚符を模したもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょたい【魚袋】

平安時代以降の礼装,束帯を構成する要素の一つで,石帯に下げた装飾品(イラスト)。サメ皮を張った長方形の小箱に金または銀の魚形をはりつけたもので,三位以上は金魚袋,五位以上は銀魚袋とされた。中国唐代の官制には魚符の制があり,朝廷に出入りする官吏はすべて官職氏名を記入した魚形の金属板を携えていた。これには金,銀,銅の区別があり,三品以上は金,五品以上は銀,六品以下銅とされたが,奈良時代の〈衣服令〉では,これにならって位袋(いたい)が定められた。

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大辞林 第三版の解説

ぎょたい【魚袋】

〔魚符を入れる袋の意〕
節会せちえ・大嘗会だいじようえ・御禊ごけいなどの儀式における束帯着用時、右腰に下げる装身具。長さ約10センチメートル、幅3センチメートル、厚さ1.5センチメートルほどの箱で、白鮫しろざめの皮を張り、金または銀製の魚形を表に六個、裏に一個つけ、紫または緋の組糸をつける。唐制にならったもの。 → 魚符

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

魚袋
ぎょたい

公家(くげ)服装の付属品。朝服である束帯着用のときに腰に帯びる。中国、唐の魚符の制に倣ったもので、朝廷に出入するときの証契(通行証)が装飾品となった。着け方は肥瘠(ひせき)により異なるが、普通、石帯の第一、第二の石の間に結んで右腰に下げる。古代には、金または銀の魚形を位袍(いほう)と同じ生地でつくった袋に入れ、その紐(ひも)の結び数で階級の上下を分けたが、のちには、鮫皮(さめがわ)で包んだ小さな箱の表側に金または銀製の小さな魚の形6個、裏側に1個を飾り、その上に紫か緋(ひ)の組紐をつけた。金の魚袋は諸王および諸臣の三位以上、銀の魚袋は四位、五位の者が用いた。[高田倭男]

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