鶴沢道八(読み)つるざわどうはち

改訂新版 世界大百科事典 「鶴沢道八」の意味・わかりやすい解説

鶴沢道八 (つるざわどうはち)

義太夫節の三味線演奏者。(1)初世(1869-1944・明治2-昭和19) 本名浅野楠之助。大阪出身。8歳で2世鶴沢吉左衛門に入門,吉松を名のったが2世勝七の門に移って友松となり文楽座に出勤,のち彦六座に移り2世豊沢団平の教えを受けた。1906年一時退座して道八と改名,23年に文楽座に復帰,3世竹本津太夫,4世竹本大隅太夫らを弾いた。独特の間と美音名手の評高く,作曲にも秀で《小鍛冶》などをものした。著書に《道八芸談》(1944)がある。(2)2世(1915-81・大正4-昭和56) 本名坪井沢一。岡山県出身。13歳で4世鶴沢清六に入門,清友から6世徳太郎を経て2世を襲名。晩年4世竹本津太夫を弾いた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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