黒泥土(読み)こくでいど(英語表記)half-bog soil; muck soil

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有機質土壌に属し,泥炭分解した黒泥を母材とする土壌。マックと呼ばれる。黒泥は地下水位の高い湿原地に蓄積した泥炭が,河川運搬物などの無機質沖積物の混入と地下水位の低下による分解作用を受けて,植物組織が失われるまでに細粒化した黒色腐植層の泥土。湿地排水が進むと表層に腐植が生成され,下層グライ化作用によるグライ層を伴った黒泥土の断面形態をとる。黒泥母材の下部は泥炭層に移化する場合もある。一般に温暖な気候下に生じる土壌型で,日本では東北地方以南,以西沖積平野台地,丘陵内の浸食谷高地凹地などの低湿地に泥炭土とともに分布する。

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百科事典マイペディアの解説

暖温帯の排水不良地に生成する土壌型。泥炭が分解して無機物とよく混和した黒色の腐植層(黒泥)を主とし,下層は多くの場合泥炭層,またはグライ層。泥炭にくらべて腐植物が少ない。排水すると黒ボク土と区別しにくくなる。日本では泥炭土の多い北海道に分布せず,東北〜中部地方にかけて多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

泥炭が分解されてもとの植物組織が識別できなくなった黒色の粘土質物質を黒泥といい、その風化生成物として生じた土壌を黒泥土という。湿草地が泥土の混入とともに半陸化してゆく過程で、泥炭土や黒泥土が生成される。黒泥土は表層にさらに分解の進んだ薄い腐植層をもつが、下層は母材としての黒泥層で、低湿地の状態が続いている。全層を通じて有機物含有率は30~50%、さらに下部は泥炭層に変わる場合が多い。[浅海重夫・渡邊眞紀子]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 暖温帯の排水不良地に発達する黒色の土壌型。よく分解の進んだ植物の有機物を多量に含む厚い腐植層が発達し、下層は泥炭層などからなる。東北・北陸地方の水田土壌などに見られる。

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世界大百科事典内の黒泥土の言及

【土壌型】より

…低位泥炭土の表面がわずかに水面より上がるようになると植生が変化して,ワタスゲ,ヌマガヤなどの遺体を主とする中間泥炭土が生成するようになり,さらに底土からの距離が増大し貧栄養条件になると,雨水だけで繁殖ができるミズゴケ,ホロムイスゲなどの遺体からなる高位泥炭土が発達するようになる。泥炭土壌(主として低位泥炭土)に砂や粘土などの無機質母材が流入して混和されると泥炭の腐植化が進み,植物遺体の組織がもはや肉眼ではそれと認められないような比較的均質な黒色の腐植に富んだ土壌が形成されるが,これを黒泥土という。(2)地下水のような水の影響を強く受けた成帯内性土壌型 地下水土壌型ともいわれる。…

※「黒泥土」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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