黒泥土(読み)こくでいど(その他表記)half-bog soil; muck soil

精選版 日本国語大辞典 「黒泥土」の意味・読み・例文・類語

こく‐でいど【黒泥土】

  1. 〘 名詞 〙 暖温帯排水不良地に発達する黒色土壌型。よく分解の進んだ植物有機物を多量に含む厚い腐植層が発達し、下層泥炭層などからなる。東北北陸地方水田土壌などに見られる。

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最新 地学事典 「黒泥土」の解説

こくでいど
黒泥土

muck soils

泥炭構成植物の残渣肉眼で認められないほど,黒く腐植化した表層をもつ有機質土。ドイツおよび米国の用語。一般に黒泥は泥炭より無機物多く含み,黒味が強い。北海道農業試験場では,有機物含量が50%以上で植物遺体が肉眼で認められないものを黒泥と定義し,泥炭,亜泥炭と区別している。農耕地土壌分類では,黒~黒褐色で,有機物含量10%以上,リン酸吸収係数1,200以上のものと定義。カイラの腐植化度(0.025Mピロリン酸ナトリウム可溶液の吸光度×100)が40以下のものは泥炭,60以上のものは黒泥,40~60のものは黒泥質泥炭あるいは泥炭質黒泥に相当(M.Schnitzer et al., 1965)。この土壌型名は,鴨下寛(1940)が用語をドイツから日本に導入し広まった。泥炭土の多い北海道にはほとんど分布せず,東北および関東地方に圧倒的に多い。ほとんどを水田として利用。FAO/UNESCOのSapric Histosols, USA土壌分類のSapristsにほぼ相当する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒泥土」の意味・わかりやすい解説

黒泥土
こくでいど
half-bog soil; muck soil

有機質土壌に属し,泥炭の分解した黒泥を母材とする土壌。マックと呼ばれる。黒泥は地下水位の高い湿原地に蓄積した泥炭が,河川運搬物などの無機質沖積物の混入と地下水位の低下による分解作用を受けて,植物組織が失われるまでに細粒化した黒色腐植層の泥土。湿地の排水が進むと表層に腐植が生成され,下層はグライ化作用によるグライ層を伴った黒泥土の断面形態をとる。黒泥母材の下部は泥炭層に移化する場合もある。一般に温暖な気候下に生じる土壌型で,日本では東北地方以南,以西の沖積平野や台地,丘陵内の浸食谷,高地の凹地などの低湿地に泥炭土とともに分布する。

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百科事典マイペディア 「黒泥土」の意味・わかりやすい解説

黒泥土【こくでいど】

暖温帯の排水不良地に生成する土壌型。泥炭が分解して無機物とよく混和した黒色の腐植層(黒泥)を主とし,下層は多くの場合泥炭層,またはグライ層。泥炭にくらべて腐植物が少ない。排水すると黒ボク土と区別しにくくなる。日本では泥炭土の多い北海道に分布せず,東北〜中部地方にかけて多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒泥土」の意味・わかりやすい解説

黒泥土
こくでいど

泥炭が分解されてもとの植物組織が識別できなくなった黒色の粘土質物質を黒泥といい、その風化生成物として生じた土壌を黒泥土という。湿草地が泥土の混入とともに半陸化してゆく過程で、泥炭土や黒泥土が生成される。黒泥土は表層にさらに分解の進んだ薄い腐植層をもつが、下層は母材としての黒泥層で、低湿地の状態が続いている。全層を通じて有機物含有率は30~50%、さらに下部は泥炭層に変わる場合が多い。

[浅海重夫・渡邊眞紀子]

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世界大百科事典(旧版)内の黒泥土の言及

【土壌型】より

…低位泥炭土の表面がわずかに水面より上がるようになると植生が変化して,ワタスゲ,ヌマガヤなどの遺体を主とする中間泥炭土が生成するようになり,さらに底土からの距離が増大し貧栄養条件になると,雨水だけで繁殖ができるミズゴケ,ホロムイスゲなどの遺体からなる高位泥炭土が発達するようになる。泥炭土壌(主として低位泥炭土)に砂や粘土などの無機質母材が流入して混和されると泥炭の腐植化が進み,植物遺体の組織がもはや肉眼ではそれと認められないような比較的均質な黒色の腐植に富んだ土壌が形成されるが,これを黒泥土という。(2)地下水のような水の影響を強く受けた成帯内性土壌型 地下水土壌型ともいわれる。…

※「黒泥土」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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