龍田大社(読み)たつたたいしゃ

精選版 日本国語大辞典 「龍田大社」の意味・読み・例文・類語

たつた‐たいしゃ【龍田大社】

  1. たつたじんじゃ(龍田神社)[ 一 ]

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日本歴史地名大系 「龍田大社」の解説

龍田大社
たつたたいしや

[現在地名]三郷町立野南一丁目

大和川北岸、三室みむろ山北東に鎮座。俗に龍田明神という(大和名所図会)祭神天御柱あめのみはしら(志那都比古)国御柱くにのみはしら(志那都比売)。旧官幣大社。大和法隆寺の守護神である現奈良県斑鳩町の龍田神社新宮とよぶのに対して当社を本宮という。

〈大和・紀伊寺院神社大事典〉

〔風水の神〕

二神は風を支配する神であるが、「延喜式」龍田風神祭祝詞によると、崇神天皇の時、悪風・悪水のため凶作が続いたので占ったところ、天乃御柱乃命・国乃御柱乃命の祟りであるとわかったので、幣帛をととのえて「龍田の立野の小野」に祀ったところ、五穀豊饒となったという。「延喜式」神名帳の平群へぐり郡に「龍田坐天御柱国御柱神社二座並名神大、月次新嘗」とあり、祈雨神祭八五座の一。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「龍田大社」の意味・わかりやすい解説

龍田大社
たつたたいしゃ

奈良県生駒(いこま)郡三郷(さんごう)町立野(たつの)に鎮座。俗に龍田明神という。天御柱命(あめのみはしらのみこと)、国御柱命(くにのみはしらのみこと)を祀(まつ)る。崇神(すじん)天皇朝に神教によって創祀(そうし)されたと伝え、天武(てんむ)天皇朝以後は毎年4月と7月に広瀬大忌祭(おおいみさい)(現北葛城(きたかつらぎ)郡河合(かわい)町の広瀬神社)と同じく、龍田風神祭(ふうじんさい)を斎行することが慣例となり、「神祇令(じんぎりょう)」にも規定されている。大和(やまと)国平群(へぐり)郡の延喜(えんぎ)式内社「龍田坐(ます)天御柱国御柱神社」であり、平安時代には二十二社にも加えられた。社地は竜田川に近く、古来よりもみじ名所として名高い。その神徳は五穀豊穣(ほうじょう)を守る風神として厚く崇敬された。旧官幣大社。例祭日は4月4日。風鎮祭(ふうちんさい)は6月28日より7月4日までの7日間、五穀豊穣を祈願した神札が近郷の耕地に立てられる。10月25日の秋祭には、奈良県生駒郡斑鳩(いかるが)町大字竜田に鎮座の旧県社龍田神社へ渡御があったと伝える。同神社は龍田大社の新宮とされる。1425年(応永32)の奥書がある『龍田大明神御事』一巻を蔵する。なお、謡曲『龍田(たつた)』は「もみじ」を神木とする龍田明神を素材にしたものである。

[二宮正彦]

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デジタル大辞泉プラス 「龍田大社」の解説

龍田大社

奈良県生駒郡三郷町にある神社。延喜式内社。祭神は天御柱命(あめのみはしらのみこと)、国御柱命(くにのみはしらのみこと)。風の神として信仰を集め、龍田風神とも呼ばれる。紅葉の名所。

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