場所(読み)ばしょ

精選版 日本国語大辞典 「場所」の意味・読み・例文・類語

ば‐しょ【場所】

〘名〙
① ある物事が、存在したり行なわれたりするところ。ところ。場。位置。また、特定の地域。区域
浄瑠璃・最明寺殿百人上臈(1699)含み状「経世がやしき某望み申せ共、御用の場所とてりん惜有」
② いるところ。占める位置。場席。
※歌舞伎・三人吉三廓初買(1860)二幕「大方お前が尋ねて来ようと、今夜も場所(バショ)へ其金を持って行ったが」
③ 特に、遊郭盛り場などをさしていう。
※洒落本・寸南破良意(1775)髪結「床の二ケ所も持てゐるな、場所の株も有ハ」
④ 相撲の興行をする所または一定の期間。また、その興行。
※歌舞伎・群清滝贔屓勢力(1867)中幕「己が場所から帰りがけ通りかかった栗林で」
おおやけの場。また、中心地。
太政官(1916)〈上司小剣〉二「村でこそ太政官やが、場所へ出れば唯の百姓や」

ば‐どころ【場所】

〘名〙 場。ところ。場所(ばしょ)
甲陽軍鑑(17C初)品四七「敵も味方も入まじり、ばところを取つとられつ」

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デジタル大辞泉 「場所」の意味・読み・例文・類語

ば‐しょ【場所】

何かが存在したり行われたりする所。ある広がりをもった土地。「魚の釣れる場所」「約束場所
人がいる所。また、物が占めるために要する広さ。「立っている場所もない」
相撲の興行をする所。また、その期間。「初場所
[補説]書名別項。→場所
[下接語]秋場所在り場所居場所おか場所死に場所出場所夏場所初場所春場所本場所
[類語]箇所地点部分

ばしょ【場所】[書名]

瀬戸内寂聴私小説著者が80歳で訪れた自らゆかりの地で、自身過去を再構築する。平成13年(2001)刊行同年、第54回野間文芸賞受賞。

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デジタル大辞泉プラス 「場所」の解説

場所

高良留美子の詩集。1963年、第13回H氏賞受賞。

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世界大百科事典(旧版)内の場所の言及

【場所請負】より

…18世紀前期に成立し,明治初年に廃止された。 近世初頭,松前藩は渡島(おしま)半島南部の和人地を直轄するとともに,それ以外の北海道の海岸部を,アイヌの各部族の支配領域に対応させて〈場所〉という領域に区分し,場所のアイヌとの交易独占権を上級家臣に知行として分与した。これは松前藩自体が江戸幕府から与えられた蝦夷地交易独占権を,家臣に分与した商場(あきないば)知行制とみられる。…

※「場所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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