出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
小説家。本名晴美。大正11年5月15日、徳島市の神仏具商の家に生まれる。小学生のころから世界・日本文学全集を読破。東京女子大学国語専攻部に在学中に外務省留学生と結婚、中国の北京(ペキン)へ渡る。1946年(昭和21)長女を連れて帰国。1948年夫の教え子と恋愛をし、京都へ出奔。この青年との関係は、運命の伏線のように、その後の人生の曲折ともかかわり、作家瀬戸内晴美誕生の機縁となる。その後、妻子ある作家との8年に及ぶ愛情関係をモチーフに、五欲煩悩に迷う体験から、人間に内在する暗い世界の模索を試みた私小説系列の作品を書く。1963年女流文学賞を受けた『夏の終り』(1962)はその代表作である。ほかに『蘭(らん)を焼く』(1969)、『おだやかな部屋』(1970)などがある。1961年第1回田村俊子(としこ)賞受賞の『田村俊子』(1959)により新しい伝記小説の境地を開拓した。『ここ過ぎて』(1956~1958)、『かの子撩乱(りょうらん)』(1962~1964)、『美は乱調にあり』(1965)など、おもに大正から昭和にかけて時代とともに、人生を燃焼し尽くした女性像・群像を発掘し、自己の生きる証(あかし)とする。1973年、中尊寺で得度。寂聴尼として仏道を修めながら、なお旺盛(おうせい)な執筆活動を続ける。得度後のおもな作品に『女人源氏物語』全5巻(1988)、『花に問え』(1992。谷崎潤一郎賞受賞)、『源氏物語』全10巻(1996~1998)、『場所』(2001。野間文芸賞受賞)などがある。1995年度(平成7)芸術選奨文部大臣賞受賞。1997年文化功労者となる。また、1988年から1992年まで敦賀(つるが)女子短期大学の学長を務めた。2006年(平成18)文化勲章受章。
[岡 宣子]
『『瀬戸内晴美作品集』全8巻(1972~1973・筑摩書房)』▽『『瀬戸内晴美長編選集』13巻・続巻5(1973~1974、1981~1982・講談社)』▽『『瀬戸内寂聴全集』全20巻(2001~2002・新潮社)』
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加