藪人参(読み)ヤブニンジン

デジタル大辞泉 「藪人参」の意味・読み・例文・類語

やぶ‐にんじん【×藪人参】

セリ科多年草山野の藪に生え、高さ約60センチ。葉は羽状複葉ニンジンに似る。4、5月ごろ、白い小花をまばらな散形状につける。

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精選版 日本国語大辞典 「藪人参」の意味・読み・例文・類語

やぶ‐にんじん【藪人参】

  1. 〘 名詞 〙
  2. セリ科の多年草。各地の山野に生える。高さ三〇~六〇センチメートル。葉は二回三出羽状複葉でニンジンの葉に似ている。春、ごく小さな白い五弁花をまばらにつけた散形花序を出す。果実は長楕円状線形で長さ三センチメートルぐらい。漢名、香根芹・野胡蘿蔔。ながじらみ。〔物品識名(1809)〕
  3. 植物かわらにんじん(河原人参)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
  4. 植物「むらさきけまん(紫華鬘)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藪人参」の意味・わかりやすい解説

ヤブニンジン
やぶにんじん / 藪人参
[学] Osmorhiza aristata (Thunb.) Makino et Yabe

セリ科(APG分類:セリ科)の多年草。根は太い。茎は高さ40~60センチメートル。葉は2、3回3出羽状複葉(葉の形態については「複葉」の項を参照)。4~5月、白色花を開く。果実は細長く、長さ2センチメートル。山野の陰湿地に普通に生え、北海道から九州、および朝鮮半島、中国、シベリアインドなどに分布する。名は、葉がニンジンに似ており、藪(やぶ)に生えることによる。本州と朝鮮半島には変種ミヤマヤブニンジンがある。

 ヤブニンジン属は10種あり、東アジアと北アメリカに隔離分布する。

[門田裕一 2021年12月14日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藪人参」の意味・わかりやすい解説

ヤブニンジン(藪人参)
ヤブニンジン
Osmorhiza aristata

セリ科の多年草で,ナガジラミともいう。アジアの温帯冷温帯に広く分布する。日本各地の丘陵地の林内に生える。茎は花序も含めて高さ 40~60cmとなり,上部はよく分枝し,全体に白い毛がある。葉は3出羽状複葉で小葉は卵形,あらい鋸歯がある。葉柄は,根出葉と下部につく葉では長く,上部のものは短い。4~5月に,小さな散形花序を出して白色の花をつける。花序の基部に包葉5枚があり,雄花両性花があるが,ともに5枚の花弁があって内へ曲る。果実は長さ 2cmほどの細長い紡錘形で全体に毛がある。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「藪人参」の解説

藪人参 (ヤブニンジン)

学名:Osmorhiza aristata
植物。セリ科の多年草

藪人参 (ヤブニンジン)

植物。キク科の越年草,薬用植物。カワラニンジンの別称

藪人参 (ヤブニンジン)

植物。ケシ科の越年草,薬用植物。ムラサキケマンの別称

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