CP対称性(読み)シーピーたいしょうせい

百科事典マイペディア 「CP対称性」の意味・わかりやすい解説

CP対称性【シーピーたいしょうせい】

素粒子相互作用対称性に関する概念荷電変換(C)と空間反転(P)を同時に行う変換をCP変換といい,CP変換に対して相互作用が不変ならば,CP対称性が成り立つ,あるいはCP不変であるという。1963年フィッチクローニングループが,K中間子のπ中間子2個への崩壊でCP対称性が破れていることを発見。その原因については標準模型が提唱されている。→Bファクトリー

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知恵蔵 「CP対称性」の解説

CP対称性

粒子反粒子を同等と考える対称性。粒子をその反粒子に置き換えても、同時に空間座標の向きを逆にすれば同じ法則が成り立つことをいう。Cはcharge(荷電)、Pはparity(偶奇性)。宇宙誕生時は粒子と反粒子が同数だったが、この対称性の破れで反粒子は消えていったらしい。破れは1960年代前半に中性K中間子の崩壊で見つかり、2000年代に入って、日米のBファクトリーでB中間子と反B中間子の崩壊のしかたを比べる実験でも確かめられた。この現象を理論づけ、クオークが3世代6種以上あれば破れが起こる、と予想したのが小林誠(高エネルギー加速器研究機構名誉教授)、益川敏英(京大名誉教授)の小林・益川理論。2人は08年、南部陽一郎(米シカゴ大名誉教授)とともにノーベル物理学賞を贈られることになった。

(尾関章 朝日新聞記者 / 2008年)

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