コモン・ロー(読み)コモンロー

百科事典マイペディア 「コモン・ロー」の意味・わかりやすい解説

コモン・ロー

広義には,大陸法と区別して,英米をはじめとした国々の法制英米法〉をさす。狭義には,イギリスの国王裁判所の下で発展してきた判例による法理をさし,制定法教会法との対比で用いられる。さらには,国王裁判所のうち大法官府裁判所で発展してきたエクイティの法理との対比で用いられることもある。
→関連項目インズ・オブ・コートクック星室裁判所判例法普通法〈善きサマリア人〉の法

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「コモン・ロー」の解説

コモン・ロー
common law

イギリスで行われている法体系。王国の全体に「共通の(コモン)法」というのが,もとの意味。ほぼ12世紀後半からの1世紀間に,国王裁判所において先例にもとづいて体系化された。判例尊重主義であったため,その欠陥を補うことを目的に15世紀以降に衡平(こうへい)法が導入され,また近世に入って議会制定法の果たす役割も大きくなったが,これに対してコモン・ローは慣習法である非成文法として,英米の基本的な法体系を形づくっている。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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