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フランスの哲学者。ソルボンヌに学び,リヨン大学講師を経て1970年パリ第八大学教授となる。構造主義など60年代の西欧近代理性の再検討の思潮のなかで,深い哲学史研究を背景に,経験論と観念論という西欧の二大知的伝統の思考の基礎形態を批判的に解明して,これを克服する哲学を主著《差異と反復》(1968)で展開した。さらに進んで,ガタリF.Guattari(1930-92)と共同して,精神分析やマルクス主義の概念装置を統合的に援用しつつ,資本主義社会を根本的にとらえなおす試みを《反エディプス》(1972),《ミル・プラトー》(1980)などで行い,現代哲学に大きな影響を与えている。闘病生活のすえ,自殺。
執筆者:荒川 幾男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
… 一方,J.P.サルトルやM.メルロー・ポンティをはじめ現象学とマルクス主義を結合する実存主義の展開に続いて,人間の社会的活動を深層の意味構造から理解しようとする探求が生まれると,精神分析とフロイト主義は,言語学や人類学などと連動しつつ,無意識的な文化の構造を探り,人間認識の基本視座を革新する試みの思想的源泉の一つとなった。C.レビ・ストロース,M.フーコーらがそのような試みの代表者であるが,その後も思想のあらゆる分野でフロイトの新しい理解が新しい探求を触発しており,精神分析学者F.ガタリと共同する哲学者G.ドゥルーズの社会哲学的探求からJ.クリステバの記号論的探求やR.ジラールの象徴論的探求などにいたるまで,フロイトと精神分析の影響はいっそう深くひろがっている。心理学精神医学【荒川 幾男】。…
※「ドゥルーズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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