出石神社(読み)イズシジンジャ

デジタル大辞泉 「出石神社」の意味・読み・例文・類語

いずし‐じんじゃ〔いづし‐〕【出石神社】

兵庫県豊岡市出石町宮内にある神社。祭神出石八前大神いずしのやまえのおおかみ天日槍命あめのひぼこのみこと但馬たじま一の宮

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精選版 日本国語大辞典 「出石神社」の意味・読み・例文・類語

いずし‐じんじゃいづし‥【出石神社】

  1. 兵庫県豊岡市出石町宮内にある神社。旧国幣中社。祭神は天日槍命(あめのひぼこのみこと)、出石八前大神(いずしやまえのおおかみ)(=八種の神宝)を神体とする。延喜式内名神大社。但馬国一の宮。

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日本歴史地名大系 「出石神社」の解説

出石神社
いずしじんじや

[現在地名]出石町宮内

宮内みやうち東部の山裾に位置し、出石大社ともいう。新羅の王子天日槍が将来したとされる八種の神宝(七種ともいう)を出石八前大神として祭神とし、併せて天日槍の霊を祀る。旧国幣中社。中世には但馬国一宮とされ、総持そうじ(現高野山真言宗)神宮寺であった。周辺には宮内遺跡・黒田くろだ遺跡など弥生時代の遺跡があり、神社の東方に広がる出石川の沖積地ではかつて条里の遺構がみられた。一帯は但馬地方で最も早く稲作が始められた地域の一つとされる。一宮縁起(社蔵)によると、谿羽道命と多遅麻比那良岐命が祖神である天日槍を祀ったのが草創という。天平九年(七三七)の但馬国正税帳(正倉院文書)に「出石郡出石神戸」とあり、この租代は四三五束六把、調二〇匹四丈五尺を買うために直稲一千二四五束を充てている。「新抄格勅符抄」に引く大同元年(八〇六)の牒によれば出石神の神封は一三戸で、但馬国内が充てられていた。ちなみに養父やぶ神社(現養父町)は但馬国正税帳での租代は一四五束五把、大同元年牒での神封は四戸で、当社が但馬国内有数の大社であったことがうかがえる。承和一二年(八四五)七月一六日無位の出石神は養父神などとともに従五位下の神階を授けられた(続日本後紀)。以後神階は貞観一〇年(八六八)一二月二七日に正五位下(三代実録)、同一六年三月一四日に正五位上(同書)と昇叙した。

なお「日本書紀」垂仁天皇三年三月条が引く一書によると八種の神宝(葉細の珠、足高の珠、鵜鹿鹿の赤石の珠、出石の刀子、出石の槍、日鏡、熊の神籬、胆狭浅の大刀、ただし「日本書紀」本文では羽太の玉、足高の玉、鵜鹿鹿の赤石の玉、出石の小刀、出石の桙、日鏡、熊の神籬の七種とし、「古事記」の所伝では珠二貫、浪振る比礼、浪切る比礼などの八種とする)を携えて渡来した天日槍は垂仁天皇から播磨国と淡路国の各一村を与えられたが固辞し、諸国を遍歴してのち但馬を永住の地と定め、出石(出嶋)の人太耳の娘麻多烏を娶って但馬諸助を生み、諸助の子孫は日楢杵・清彦・田道間守と続いたという。また同八八年七月条には天日槍将来の神宝を欲した垂仁天皇が清彦に命じてこれを献上させたが、出石小刀だけは霊力を発して消え失せ、のち淡路島で発見されたので島人が祠を建てて祀ったとの説話を載せる。永万元年(一一六五)六月日の神祇官諸社年貢注文(永万文書)に「伊豆志社」とみえ、布五〇端を課せられていた。

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改訂新版 世界大百科事典 「出石神社」の意味・わかりやすい解説

出石神社 (いずしじんじゃ)

兵庫県豊岡市に鎮座。天日槍(あめのひぼこ)命,出石八前大神をまつる。《日本書紀》垂仁天皇の条,また《播磨国風土記》宍禾(しさわ)郡の条には,新羅の王子天日槍命が神宝を持って播磨国に来たとき,詔により播磨国宍粟(しさわ)邑,淡路島出浅(いであさ)邑を賜ったが,さらに住むところを賜りたいとして,近江,若狭などを回り,但馬に行き,そこを住む所としたことが記されているが,その持ち来たった神宝八種(八前大神)をまつったのが本社の起源。874年(貞観16)正五位上に叙せられ,延喜の制で名神大社,のち但馬国の一宮とされ,江戸時代出石藩主仙石氏によりよく保護された。旧国幣中社。例祭10月20日。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「出石神社」の意味・わかりやすい解説

出石神社
いずしじんじゃ

兵庫県豊岡(とよおか)市出石町宮内(いずしちょうみやうち)に鎮座。祭神は天日槍命(あめのひぼこのみこと)、出石八前大神(やくさのおおかみ)。社伝によると、垂仁(すいにん)天皇のとき天日槍命が来朝して当地を開拓したので、その徳を敬慕し、命が奉持していた八種(やぐさ)の神宝を八前大神として祀(まつ)ったとされている。『延喜式(えんぎしき)』では名神(みょうじん)大社。但馬(たじま)国一宮として崇敬され、1871年(明治4)官幣中社に列格した。例祭は10月20日。11月22、23日には御年花(おはなびら)祭が行われる。社宝に国の重要文化財指定の脇差(わきざし)1振があり、境内に禁足地が残されている。

[吉井貞俊]


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百科事典マイペディア 「出石神社」の意味・わかりやすい解説

出石神社【いずしじんじゃ】

兵庫県出石郡出石町(現・豊岡市)に鎮座。旧国幣中社。八種神宝(やくさのかんだから)をまつる。垂仁天皇のとき,渡来人天日矛(あめのひぼこ)がその家宝の八種の神宝をまつったのに始まるという。延喜式内の名神大社。但馬(たじま)国の一宮。例祭10月20日。ほかに立春祭など。
→関連項目出石[町]

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デジタル大辞泉プラス 「出石神社」の解説

出石(いずし)神社

兵庫県豊岡市にある神社。延喜式内社。祭神は天日槍命(あめのひぼこのみこと)、出石八前大神(いずしのやまえのおおかみ)。但馬国一之宮。地元では「いっきゅうさん」とも呼ばれる。

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