デジタル大辞泉
「反故」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ほう‐ぐ【反故・反古】
- 〘 名詞 〙 =ほぐ(反故)
- [初出の実例]「ほかへまかるに、ほうぐどもとりしたたむるに」(出典:建礼門院右京大夫集(13C前))
反故の語誌
( 1 )奈良期に「本古紙」〔正倉院文書‐天平宝字四年(七六〇)六月二五日・奉造丈六観世音菩薩料雑物請用帳〕、「本久紙」〔正倉院文書‐天平宝字六年(七六二)石山院牒〕の表記で見えるのが古い。また、「霊異記‐下」には「本垢」とあり、当初の語形はホゴ・ホグ、あるいはホンク(グ)であったと考えられる。
( 2 )平安期の仮名文では「ほく」と表記されることもあるが、ホンクの撥音無表記とも見られる。「色葉字類抄」には「反故 ホク 俗ホンコ」とあり、鎌倉時代においては、複数の語形があったこと、正俗の意識があったことなどが分かる。
( 3 )「日葡辞書」の「Fongo(ホンゴ)」の項に「Fôgu(ホウグ)と発音される」との説明があるところから、中世末期においてはホウグが優勢であり、近世になってからもホウゴ・ホンゴ・ホゴ・ホング・ホグなどとともに主要な語形として用いられている。→「ほご(反故)」の語誌
ほ‐ぐ【反故・反古】
- 〘 名詞 〙
- ① 書画などを書き損じて不用となった紙。ほご。ほうご。ほうぐ。
- [初出の実例]「爰に景戒愁へて紙無きを何にせむといふ。乞者の沙彌、又本垢を出し、景戒に授けて言はく斯れに写さむかな」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
- ② 役にたたなくなったもの。むだ。不用。
- [初出の実例]「舅の㝡期も、女房の奉公も、反古(ホグ)にはならぬ此金」(出典:浄瑠璃・仮名手本忠臣蔵(1748)六)
- ③ 取消し。無効。
反故の語誌
→「ほうぐ(反故)」「ほご(反故)」の語誌
ほ‐ご【反故・反古】
- 〘 名詞 〙 =ほぐ(反故)
- [初出の実例]「あの約速も、此約速も、今じゃアみんな反古(ホゴ)となり」(出典:洒落本・廓宇久為寿(1818)前)
反故の語誌
「反故」「反古」を表わす語形は数が多く、そのいくつかは同時代に並行して用いられている。ホグ・ホゴの語形も古くからあったが、特に近代になって有力となった。明治・大正期の国語辞書の多くは、「ほぐ」を主、「ほご」を従として項目を立てており、「ほご」の語形が一般的になったのは比較的最近のことである。→「ほうぐ(反故)」の語誌
ほん‐ご【反故・反古】
- 〘 名詞 〙 =ほぐ(反故)
- [初出の実例]「よろづつれづれなる人の、まぎるることなきままに、古きほんこひきさがし」(出典:紫式部日記(1010頃か)消息文)
反故の語誌
→「ほうぐ(反故)」の語誌
ほん‐ぐ【反故・反古】
- 〘 名詞 〙 =ほぐ(反故)→「ほうぐ(反故)」の語誌。
- [初出の実例]「人に紙ほんぐなど乞あつめ」(出典:発心集(1216頃か)五)
ほう‐ご【反故・反古】
- 〘 名詞 〙 =ほぐ(反故)
- [初出の実例]「いささかに手ならし給しほうごなど、取りちらし給」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲中)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「反故」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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