デジタル大辞泉 「澪」の意味・読み・例文・類語
み‐お〔‐を〕【×澪/水=脈/▽水尾】
1 浅い湖や遠浅の海岸の水底に、水の流れによってできる溝。河川の流れ込む所にできやすく、小型船が航行できる水路となる。また、港口などで海底を掘って船を通りやすくした水路。
2 船の通ったあとにできる跡。航跡。「遊覧船が―をひいてゆく」
[補説]書名別項。→澪
三角州などの遠浅で泥質の干潟の表面にえぐられた河川延長上の浅い水路。屈曲・分岐することが多い。軟らかい砂泥からなり,高潮時には海面下に没するため,波や流れによって形態が変化しやすい。東京湾,大阪湾,伊勢湾,有明海などの内湾奥部に多い。とくに潮差の大きい有明海北部では流路は直線的で,両岸に自然堤防が形成されている。澪は小型船の交通路として利用されるが,伊勢湾台風の高潮のように高潮や津波が遡上して潮位を高め大被害をもたらすことがある。澪は湖沼底の一般に湖流の強い所にも生ずる。なお澪の所在を示す航路標識を〈澪標(みおつくし)〉といい,〈身を尽くし〉にかけて万葉以来歌語に用いられた。
執筆者:佐藤 任弘
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