尿路感染症の一つ。かつては腎盂炎ともいわれ,炎症が腎盂に原発して,腎臓の実質に及んだものを指したが,その後,腎臓の実質の炎症が腎盂に及んだものをも含めて,腎臓の感染性炎症を腎盂腎炎と総称するようになった。病原菌としては,大腸菌やクレブシエラKlebsiellaなどの腸内細菌が最も多く,緑膿菌,変形菌がこれに次ぐ。これらの細菌は,血行を介して(血行感染),あるいはリンパ管を通じて(リンパ行感染)も腎臓に到達するが,最も主要な感染経路は,下部尿路から尿管を通しての逆行性感染である。とりわけ,膀胱などの下部尿路に感染がある場合や,尿路結石や尿管狭窄などによる尿の通過障害があると,発症しやすくなる。発症の頻度は,40歳まででは圧倒的に女子に多いが,それ以上では男女差は小さい。
腎盂腎炎は急性のものと慢性のものに大別される。急性腎盂腎炎は,突然,悪寒戦慄を伴う高熱で発症し,腎臓部の圧痛があり,ときに急性腹症を呈し,重篤な場合では菌血症や敗血症を併発することもある。尿は細菌を伴った細菌尿となり,膿尿となることも多い。治療は安静を保ったうえで,強力な化学療法を行う。大量な抗生物質の使用によって,1~2週間で完治するが,治療が不完全だと,全治したかにみえても,慢性化して,治療が非常に困難になるので注意を要する。
慢性腎盂腎炎は急性腎盂腎炎が慢性化してなる場合が多いが,ときに最初から潜在的に始まって慢性化することもある。急に悪化するときには急性腎盂腎炎の症状を示すが,一般には全身倦怠,微熱,貧血,胃腸症状などの全身症状がみられるだけのことが多い。尿検査では細菌尿や膿尿がみられる。治療は抗生物質などによる化学療法で,6ヵ月から1年の経過観察が必要である。腎臓実質の破壊が進むと,腎不全や萎縮腎を起こすことがある。
執筆者:菊池 祥之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
細菌感染による腎盂および腎実質の炎症をいう。感染が腎盂に限局される。腎盂炎の多くは、やがて腎実質も侵され腎機能が障害されるので、腎盂炎と腎盂腎炎は現在ではほぼ同義に扱われることが多い。また、上部尿路感染症も腎盂腎炎に関連した疾患である。
[加藤暎一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
ドンド焼き,サイト焼き,ホッケンギョウなどともいう。正月に行われる火祭の行事で,道祖神の祭りとしている土地が多い。一般に小正月を中心に 14日夜ないし 15日朝に行われている。日本では正月は盆と同様魂...
1/16 デジタル大辞泉プラスを更新
1/16 デジタル大辞泉を更新
12/10 小学館の図鑑NEO[新版]魚を追加
10/17 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
8/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新