デジタル大辞泉
「阿吽」の意味・読み・例文・類語
あ‐うん【×阿×吽/×阿×呍】
《梵語のaとhūṃの音写。「阿」は口を開いて出す音声、「吽」は口を閉じて出す音声》
1 梵字の12字母の、初めにある阿と終わりにある吽。密教では、この2字を万物の初めと終わりを象徴するものとし、菩提心と涅槃などに当てる。
2 仁王や狛犬などにみられる、口を開いた阿形と、口を閉じた吽形の一対の姿。
3 吐く息と吸う息。呼吸。
4 相対・対比など相対する二つのものにいう語。
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あ‐うん【阿吽・阿呍】
- 〘 名詞 〙 ( [梵語] a-hūṃ の音訳 )
- ① 仏語。密教の言語観で、阿は悉曇(しったん)一二母音の初音で開口音。吽は終わりで閉口音。密教ではこの二字をもって法界万有を摂し、阿は一切が発生する理体、吽は一切の終結する智徳を表わすとし、また菩提心と涅槃などを表わすとする。
- [初出の実例]「出で入る息に阿吽の二字を唱へ、即身即仏の山伏を」(出典:謡曲・安宅(1516頃))
- ② 吐く息と吸う息。呼吸の出入り。あうんの呼吸。
- [初出の実例]「あうんの息もきへきへと、のっつ返しつ苦しむ声(こゑ)」(出典:浄瑠璃・心中万年草(1710)下)
- ③ 寺院山門の仁王、狛犬(こまいぬ)などの一対。一は口を開き、一は口を閉じる。→阿吽の二王。
- ④ 相対、対比、対立など相対する二つのものにいう語。
- [初出の実例]「物にはあうん有故に、道具中間(なかま)のあきなひに、そんもする又とくも取」(出典:浄瑠璃・卯月の紅葉(1706頃)上)
- ⑤ 息をつめたり、掛け声をかけたりして、全身の力をこめる形容。
- [初出の実例]「やってはひかへ、引てはゆるめ、げに鉄(くろがね)のくさりにて、大象をひくちから声、両方あうんの力わざ、いきをもつがず、もみあひしが」(出典:河東節・帯曳おとこ結(1723))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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阿吽
あうん
サンスクリット語のア・フームa-hū
の音写。密教では、「阿」は口を開いて発音する最初の音声で、すべての字音は阿を本源とし、「吽」は口を閉じて発音する音声で、字音の終末とする。また、阿は呼気、吽は吸気であるとともに、それらは万有の始源と究極とを象徴する。さらに阿字には不生(ふしょう)、吽字には摧破(さいは)の意があるなどとする。この2字の密教的な解釈については、空海の『吽字義(うんじぎ)』と『秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)』に詳しい。寺院の山門に安置する仁王(におう)や向拝(ごはい)の左右の柱頭にある獅子(しし)、神社の狛犬(こまいぬ)(高麗犬の意)などで、向かって右が口を開き、左が口を閉じているのは、阿吽を表す。相撲の仕切りなどで、呼吸があうのを「阿吽の呼吸」という。
[宮坂宥勝]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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阿吽 (あうん)
a hūṁ[サンスクリツト]
〈阿〉字は口を開くと最初に出てくる音で,梵字アルファベットの最初の字。いっさいの字,いっさいの音声はaを本源とするから,a字は諸法の本初を表す。また,〈吽〉字は口を閉じた最後の音で,諸法の終極を表す。したがって〈阿吽〉の2字をもっていっさいの存在者が生起する根源たる実相(諸法の存在論的根拠たる存在そのもの)と,智慧をもって迷いを破してその本源へ帰滅すべきであるという存在の真実を表現する。
執筆者:津田 眞一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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阿吽【あうん】
阿の音と吽の音。梵音のアとフームの音写。阿は口を開いて出す最初の音。吽は口を閉じて出す最後の音。密教では阿は万物の原因(理),吽は万物の結果(智)とする。寺の門や神社にある仁王や獅子,狛犬(こまいぬ)などは阿吽を表す。
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阿吽
あうん
サンスクリットのア・フーンの音訳。梵字では阿は口を開いて発する最初の音声,吽は口を閉じて発する最後の音声であり,それぞれ万物の始原・終極を示す。密教では阿を万法発生の理体(胎蔵界),吽を万法帰着の智徳(金剛界)とする。一方が口を開き,他方が閉じた寺院の仁王像,神社の狛犬(こまいぬ)像はそれを表したもの。「阿吽の呼吸」というように,呼気・吸気にもあてられる。密教では,呼吸そのものが菩提心・涅槃(ねはん)につながるとも説かれた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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阿吽
あうん
a-hūṁ
サンスクリット語のアルファベットの最初の字音である「ア」と最後の字音である「フーム」をさす言葉。密教では,この2字が万有の始原と究極を象徴するとし,それぞれ万有の原理,それらの帰着する智徳を示すとする。また,前者を悟りを求める心 (菩提心) ,後者をその結果としての涅槃 (ねはん) にあてることもある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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普及版 字通
「阿吽」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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