驚天動地(読み)キョウテンドウチ

デジタル大辞泉 「驚天動地」の意味・読み・例文・類語

きょうてん‐どうち〔キヤウテン‐〕【驚天動地】

《天を驚かし地を動かす意》世間をひどく驚かすこと。「驚天動地大事件
[類語]驚き驚愕驚嘆愕然喫驚驚倒驚異驚く

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精選版 日本国語大辞典 「驚天動地」の意味・読み・例文・類語

きょうてん‐どうち キャウテン‥【驚天動地】

〘名〙 (天をおどろかし、地を動かすの意) 世間をひどくおどろかすこと。驚地動天。
寧馨児(1894)〈石橋思案一二驚天動地(キャウテンドウチ)の一大事業を企つならんと」 〔白居易‐李白墓詩〕

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四字熟語を知る辞典 「驚天動地」の解説

驚天動地

世間をひどくおどろかすこと。

[活用] ―の大事件。

[使用例] スブやんすっかりうろたえて、事実、いったい今の自分に子供でけたらどんな具合になるか、驚天動地の新事態ではあった[野坂昭如*エロ事師たち|1966]

[使用例] 下坂一夫が事件発生の二十日前はおろか、去年も一昨年おとどしも九州から一歩も外に出ていないことは越智と門野の現地での裏づけ捜査で判っていた。下坂が戸倉旅館に居たほうが驚天動地ということになる[松本清張*渡された場面|1976]

[使用例] 八分者は人の家を訪ねられない。まして神聖とされる若衆宿に足を踏み入れるなど、若衆たちにとって驚天動地の凶事であった[司馬遼太郎菜の花の沖|1982]

[解説] 唐の詩人・杜甫の詩「李白の墓」に見えることばです。同時代人で先輩の李白の残した詩文を「驚天動地の文」と賞賛しています。天を驚かし、地を動かすほど素晴らしいというのです。
 現代語で「驚天動地」と言えば、素晴らしいというより、むしろ常識外れの驚くべきできごとを指します。
 その驚きの程度もいろいろです。戦争勃発といった重大局面にも使えば、単に「とても驚く」という程度でも使います。「女性の乱暴なことばを聞いて驚天動地」などという例まであります。程度を表す語は、何度も使ううちインパクトが弱まってくるものです。
 ネット上では「驚天動地」を「仰天動地」と書く例が見られます。「驚天」は天を驚かすような衝撃ということだったはずが、いつのまにか「仰天」(=驚いて天を見上げる)程度の軽い意味に解釈されているのでしょうか。
 「驚天動地」の類語には「驚天がい」「かんてん動地」「震天動地」があります。これらのインパクトは、今なお強力です。

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