京舞井上流家元。
(1790―1868)初世の姪(めい)アヤで、のち養女。能の金剛(こんごう)流の舞、人形浄瑠璃(じょうるり)の人形、歌舞伎(かぶき)からも摂取し井上流の基礎を固めた。
[如月青子 2018年5月21日]
(1838―1938)2世の門弟。能の6世片山九郎右衛門(くろうえもん)の妻で本名片山春子。3世八千代を継承した後も、晩年まで本名で通していた。能観世流の影響を受け、人形浄瑠璃や歌舞伎からもさらに広く取り入れ、地唄(じうた)以外の作品も種々加えた。祇園(ぎおん)新地の舞の指導も行い、1872年(明治5)に行われた博覧会の余興の「都をどり」を振り付け、祇園との結び付きを固めた。
[如月青子 2018年5月21日]
(1905―2004)3世の門弟。3世の孫片山博道(1907―1963)の妻で本名片山愛子。先代譲りの芸格を備え、規格正しく迫力ある舞が抜群。振付け作品数も100曲を超す。1955年(昭和30)重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受ける。1975年文化功労者、1990年(平成2)文化勲章受章。2000年(平成12)5月に家元を孫の井上三千子(みちこ)に譲ったのち、井上愛子を名のる。
[如月青子 2018年5月21日]
(1956― )4世の孫。前名井上三千子。父は9世片山九郎右衛門(1930―2015)、夫は9世観世銕之丞(かんぜてつのじょう)で本名観世三千子。1999年に芸術選奨文部大臣賞、日本芸術院賞を受賞。2013年に紫綬褒章(しじゅほうしょう)を受章、2015年には人間国宝に認定された。
[如月青子 2018年5月21日]
『片山慶次郎編『井上八千代芸話』(1967・河原書店)』▽『遠藤保子著『京舞井上流家元 三世井上八千代』(1993・リブロポート)』
京舞井上流の家元。(1)初世(1767-1854・明和4-安政1) 本名井上さと。長州萩藩の浪人である儒者井上敬助の妹で,近衛家に仕え,舞を学ぶ。近衛家を退くとき〈井菱〉の紋を与えられ,それを定紋として井上流を成し,主人から賜った言葉から〈八千代〉を名のる。(2)2世(1790-1868・寛政2-明治1) 京都生れ。本名井上アヤ。敬助の娘で初世の姪に当たり,のち養女となる。金剛流の能や人形浄瑠璃から振りを取り入れて特色を出し,井上流の基礎を固めた。(3)3世(1838-1939・天保9-昭和14) 京都生れ。本名片山春子。初世,2世の門弟で,観世流能楽師6世片山九郎右衛門晋三の妻。地歌(じうた),義太夫物のほか,長唄,清元,常磐津物も加え,井上流を大きく発展させた。長年,祇園の舞の師匠として活躍し,1872年(明治5)〈都をどり〉を創始した。(4)4世(1905-2004・明治38-平成16)京都生れ。本名片山愛子。3世の門下で,師の孫である観世流能楽師片山博通の妻。1947年八千代襲名。重要無形文化財保持者,芸術院会員。芸風は厳格で,振付作品も多い。
執筆者:如月 青子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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