デジタル大辞泉
「何処」の意味・読み・例文・類語
いど‐こ【▽何▽処】
[代]《「いずこ」の音変化》「どこ」の古形。
「ここや―と問ひければ」〈土佐〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
いず‐こ いづ‥【何処】
〘代名〙 (「いずく」の変化した語) 不定称。場所を表わす。平安時代から用いられた。どこ。
※
神楽歌(9C後)
採物「本 この杖は 伊津古
(イつコ)の杖ぞ 天にます 豊岡姫の 宮の杖なり」
[語誌]和文資料では場所を問う
用法に限定されるが、平安期の
訓点資料には「いづくにか・いづこにか・いづくにぞ・いづこにぞ」のような形で、理由を問う用法が現われる。特に「ぞ」を伴う形には場所を問う用法はなく、「いづくんぞ」などの
訓点語を生みだした。
いず‐く いづ‥【何処】
〘代名〙 (「く」は場所を表わす
接尾語) 不定称。場所を表わす。「いづこ」の古形だが、平安時代以後も併用された。どこ。
※
古事記(712)中・
歌謡「この蟹や 伊豆久
(イヅク)の蟹 ももづたふ
角鹿(つぬが)の蟹
横去らふ 伊豆久
(イヅク)に到る」
※
歌舞伎・傾城仏の原(1699)二「『いづくへも立退かん』ト打ちつれ出でんとしたりしが」
いど‐こ【何処】
〘代名〙 (「いづこ」の変化したもの) 不定称。「どこ」の古形。
※三条西家本土左(935頃)承平五年一月二九日「『ここやいどこ』ととひければ、『とさのとまり』といひけり」
どっ‐こ【何処】
〘代名〙 「どこ(何処)」を強めた、俗ないい方。
※杜詩続翠抄(1439頃)七「とっこまでも遠く行んず」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「何処」の読み・字形・画数・意味
【何処】いず(づ)こ
どこ。唐・杜甫〔牛頭寺に上る〕詩 何れの處か、鶯(あうてい)切(しき)りなり 時を移して獨り未だ休(や)まず字通「何」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報