デジタル大辞泉
「渡」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
わたし【渡】
〘名〙 (動詞「わたす(渡)」の連用形の名詞化)
① 海・川などで、人や
貨物を船で
対岸に渡すこと。また、その場所。わたしば。わたり。津。
※大唐西域記長寛元年点(1163)一「阿難の渡
(ワタシ)に及びて
出家せしむるなり」
※
咄本・譚嚢(1777)
附子「ぶしはきつい。渡
(ワタ)しでさへ、銭を出さぬ」
※
河東節・隅
田川舟の内(1720‐23頃)上「かやうに候ものはすみ田川のわたし」
④ 船から他へ渡るのに用いる板。あゆみいた。わたりいた。
⑤ 机の左右の脚の間に渡してある板。
※
故旧忘れ得べき(1935‐36)〈
高見順〉八「靴を卓下の渡しから踏みはづした為」
⑦ 物などを人に手渡すこと。
わたら‐・う ‥ふ【渡】
[1] 〘
連語〙 (動詞「わたる(渡)」の
未然形に継続・反復を表わす
助動詞「ふ」の付いたもの) 渡って行く。渡りつづける。
※
万葉(8C後)二・一三五「
雲間より 渡相
(わたらふ)月の 惜しけども」
[2] 〘自ハ四〙 ((一)が一語化したもの) わたらいをする。
生計を立てる。生活する。
※
書紀(720)仁徳四一年三月(前田本訓)「
天皇、既に臣が罪を赦したまひつ。故、汝に寄
(つ)けて活
(ワタラハ)む」
※龍光院本妙法蓮華経平安後期点(1050頃)五「肉を販
(ひさ)いて自ら活
(ワタラヒ)、
女色を衒
(てら)ひ売
(う)る」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報