あわら(市)(読み)あわら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「あわら(市)」の意味・わかりやすい解説

あわら(市)
あわら

福井県の最北端にある市。2004年(平成16)坂井(さかい)郡芦原町(あわらちょう)、金津町(かなづちょう)が合併して市制施行。北東は石川県加賀市に、北西は日本海に面する。北潟湖(きたがたこ)のある北部は、加越(かえつ)台地で、南西部には平野が広がり、竹田川が東西に流れる。東部は山岳地帯で、加賀市との境に刈安(かりやす)山森林自然公園がある。JR北陸本線、えちぜん鉄道三国芦原線、国道8号、305号、北陸自動車道が通り、金津インターチェンジがある。歴史のある土地で、縄文早期の桑野遺跡、集落跡である舟津貝塚などの遺跡が残る。奈良時代に東大寺領荘園が置かれ、平安時代末期には興福寺領河口庄(しょう)、鎌倉時代には興福寺領坪江(つぼえの)庄が設けられた。室町時代に本願寺蓮如(れんにょ)により吉崎御坊(よしざきごぼう)が建立された(吉崎御坊跡は国指定史跡)。細呂木は、江戸時代には北国街道の宿駅で、福井藩の金津奉行(ぶぎょう)支配の関所も置かれ、古くから福井県の北の玄関口として栄えた。西部の芦原は、1883年(明治16)灌漑(かんがい)用の井戸を掘っていた際に湧出した湯がきっかけで誕生したといわれる芦原温泉の温泉街を中心に発展し、1948年(昭和23)福井地震では多大な被害をうけたが、その後復興した。開湯110周年の1994年(平成6)には町営(現在は市営)の温泉施設「セントピアあわら」が完成した。農業では米作を中心に、メロンスイカなどが生産されるほか、ナシの特産地である。工業も盛ん。北部は越前加賀海岸国定公園に含まれる。また、北潟湖畔の花菖蒲(しょうぶ)園では毎年6月に花菖蒲まつりが催される。ほかに総合文化施設「金津創作の森」などがある。面積116.98平方キロメートル、人口2万7524(2020)。

[編集部]


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