( 1 )上代には、「万葉集」に「甚」字をハナハダと訓じたと思われる例はあるが(→はなはだも)、仮名書きの例はない。
( 2 )上代の「万葉集」の例はいずれも動詞を修飾する例だが、中古以後は形容詞・形容動詞を修飾する例がほとんどである。動詞を修飾する例は中古の仮名文にはなく、平安初期の訓点資料や「今昔物語集」にわずかながら見える。
( 3 )中古仮名文では例は多くない。地の文や女性の会話には全く見えず、かわりに「いと」「いたく(いたう)」「いみじく(いみじう)」などを用いる。
( 4 )中古仮名文にあまり例が見えないのに対し、訓点資料には多くの用例が見える。ハナハダは中古以後は男性語的・漢文訓読語的性格を持った硬い語であった。現代語でも硬い感じを伴い主に文章語や演説の中で使われるのは、この伝統を受け継いだもの。



(ほうじん)の意。〔説文〕五上に「尤も安樂するなり。甘匹に從ふ。匹は
なり」と甘匹の会意とし、男女相
(たの)しむ意とする。
の意を以て解するが、古文の字形は竈に鍋をかけた形。斗を以てこれをくむを斟酌(しんしやく)という。〔左伝〕にみえる裨
(ひじん)は、裨竈(ひそう)と同一人であるらしく、甚・竈対待の名字をもつ人であろう。煮すぎることを過甚という。
・
・
・湛・
・
など十四字を収める。斟・
・
は烹炊のことや竈に関する字、
・
は過甚の意であろう。
は〔説文〕十上に「
(おきかまど)なり」とし、
とは行竈・火炉の意であるから、
はおきかまど。甚がその初文である。
m、斟tji
mは声義近く、甚中のものを斗
を以てくむことを斟(しん)という。
th
mはかまどのすすけた色をいう字であろう。〔説文〕十上に「桑
(さうじん)の
なり」とあるのは、転用の義とみられる。湛・
(たん)は耽と同声。別の系列をなす語である。
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甚・太甚出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...