ウミウ(読み)うみう(英語表記)Temminck's (Japanese) cormorant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウミウ」の意味・わかりやすい解説

ウミウ
Phalacrocorax capillatus; Japanese cormorant

カツオドリ目ウ科。全長 84~92cm。全体に黒っぽく,背は青緑色を帯びている。カワウと同様,繁殖期には頭部から頸部にかけて白色生殖羽(→羽衣)が多数生じ,腿部に大きな白斑が現れる。ウスリー地方,サハリン島千島列島南部,中国東部,朝鮮半島沿岸,日本に繁殖分布する。日本ではおもに九州地方北部以北の一部と北海道の沿岸および島で集団繁殖している。冬季本州の沿岸海域に広く南下し,南西諸島小笠原諸島にも記録がある。海岸の崖地に集団休息地をつくることがある。内陸水域に入ることは少なく,おもに沿岸海域で潜水して魚類を捕食する。日本で鵜飼いに使われるウは,本種を捕獲して飼い慣らしたものである。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウミウ」の意味・わかりやすい解説

ウミウ
うみう / 海鵜
Temminck's (Japanese) cormorant
[学] Phalacrocorax capillatus

鳥綱ペリカン目ウ科の海鳥。全長約84センチメートル、翼開長約133センチメートル。カワウよりわずかに大きい。日本列島、朝鮮半島、樺太(からふと)(サハリン)など日本海の沿岸に分布する特産種である。島や海岸の断崖(だんがい)で営巣し、周りの海で潜水して魚をとらえる。鵜飼(うかい)に用いられる。

[長谷川博 2019年1月21日]


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