オトラル(その他表記)Otrar

デジタル大辞泉 「オトラル」の意味・読み・例文・類語

オトラル(Otrar)

中央アジアシルダリア川下流部、アリス川との合流点近くにある古代オアシス都市遺跡。現在のカザフスタン共和国南部の町カラタウの近郊に位置する。10世紀から15世紀頃に交易要衝として栄えた。13世紀にチンギス=ハン侵略を受け、15世紀にチムール遠征途上で没した地として知られる。オトゥラル

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オトラル」の意味・わかりやすい解説

オトラル
おとらる
Otrār

中央アジア、シルダリヤ下流右岸、アリス川との合流点の北東約10キロメートルにあった古代のオアシス都市。現在も廃墟(はいきょ)が残っている。ロシア草原とマーワラー・アンナフル(「両河の地」の意。アムダリヤとシルダリヤの間の地方)を結ぶ要地として10~15世紀ごろ栄えた。1218年チンギス・ハンホラズムシャー国に派遣した450人のムスリムイスラム教徒商人隊商が、オトラル太守イナルチュクによってスパイとみなされて虐殺され、その結果モンゴル西征が引き起こされた。1405年明(みん)朝征服に出発したティームール終焉(しゅうえん)の地としても知られる。

杉山正明

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「オトラル」の解説

オトラル
Otrar

中央アジア,シル川中流の右岸,支流アリス川との合流点近くに位置する都市。現在も廃墟が残る。1218年,敵情視察を兼ねたチンギス・カンの通商団がこの地でホラズム・シャー朝総督により略奪,殺害されたことを機に,翌年からモンゴル西征が始まった。1405年にはティムールが東方遠征の途上この地で病没した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「オトラル」の解説

オトラル
Otrār

カザフスタン共和国の南部にある都市
シル川の中流右岸,アリス川との合流点に位置し,13〜15世紀に東西交通路上の商業都市として栄えた。モンゴルの隊商がここでホラズム=シャーに虐殺されたことから,1219年チンギス=ハンの西征を受けた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オトラル」の意味・わかりやすい解説

オトラル
Otrār

中央アジア,シルダリア中流域にあった都市。5~15世紀,東西交通の要地として栄えた。 1218年にチンギス・ハンの送った隊商がここで皆殺しにされたことが原因で,チンギス・ハンの中央アジア侵略が起った。

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