バルト海に臨むリトアニア共和国中南部にある同国第2の都市。人口36万2348(2005)。1917年までコブノKovno,以後カウナスと改称。第1次,第2次の両大戦間のリトアニア独立国時代の首都(1919-40)で,ポーランド名のコブノで呼ばれることもある。カウナスは13世紀,ドイツ騎士修道会のリトアニア内奥への侵攻に対処して,ネマン川とネリス川の合流点に築かれた城郭都市で,陸路と水路の要所であった。18世紀末にはオギンスキー運河が開かれ,バルト海と黒海を結ぶ交易の中継地でもあった。第2次大戦後政治の中心は首都ビルニュスに移されたが,経済,文化,高等教育(研究所,大学)の分野での同都市の役割は依然として大きい。旧市街地区には中世以来の種々の様式による教会,ゴシック建築の商館〈ペルクーナス(雷神)の邸〉などの遺構が多いほか,20世紀初頭の画家兼作曲家チュルリョーニスの美術館があり,内外の観光客が絶えない。カウナスのバスケットボール・チーム〈ジャルギリス〉は世界屈指の力をもつ。
執筆者:村田 郁夫
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リトアニア共和国第二の都市。人口37万8943(2001)。ネマン川とネリス川の合流点に位置し、市の中心部はネマン川右岸に発達している。11世紀初頭に記録に登場する古い都市で、14~15世紀初頭にはリトアニアとチュートン騎士団との闘争で戦略上重要な役割を果たした。侵略と破壊が繰り返されたが、15世紀に自治制を確立し、手工業と商業の中心地として発展した。古くから皮革工業、絹織物工業が盛んで、第二次世界大戦後、機械金属工業(タービン、モーター、無線機、暖房用ボイラー)、軽工業(絹織物、毛織物、縫製、合成ゴム、木製品)、食品工業(食肉、酪製品)など30以上の大工場が新たに建設された。鉄道、幹線道路が分岐する交通上の要衝でもある。町並みはリトアニア・ゴシックの美しい歴史的建造物が多く、13~17世紀に建設された城や、ビタウタス教会(1400)などみるべきものが多い。
[山本 茂]
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