カーナーボン(その他表記)Caernarfon

デジタル大辞泉 「カーナーボン」の意味・読み・例文・類語

カーナーボン(Caernarfon)

カナーボン

カーナーボン(Carnarvon)

カナーボン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーナーボン」の意味・わかりやすい解説

カーナーボン
Caernarfon

イギリスウェールズ北西部,グウィネズ行政府所在地。旧カーナーボンシャー県の県都。ウェールズ本土とアングルシー島を分ける狭いメナイ海峡西端近くの本土側に位置する。現在の町の南東方にある低い丘に,75年頃ローマ人が要塞を築き,セゴンティウム Segontiumと呼んだ。11世紀のノルマン人の侵入は短期間であったが,このとき砦が築かれ,その後砦を中心にウェールズのグウィネズ公が荘園を設置した。1282~83年にウェールズを征服したイングランドエドワード1世は砦を中心に大規模な城塞(→カーナーボン城)を築き,これに接して防壁で囲んだ町を建設し,北ウェールズの首都とした。町は 1284年勅許状を与えられ,ウェールズの重要な町の一つに発展,19世紀には近くのスノードン山地に産するスレート積出港として繁栄した。現在は小さな商業中心地にすぎないが,13世紀の城とその壁がきわめてよく保存されているため,夏季を中心に観光客が多い。カーナーボン城は 1986年,「グウィネズ地方のエドワード1世ゆかりの城塞群」の一つとして世界遺産の文化遺産に登録された。人口 9611(2001)。

カーナーボン
Carnarvon, George Edward Stanhope Molyneux Herbert

[生]1866.6.26. バークシャー
[没]1923.4.6. カイロ
イギリスのエジプト学者で収集家。 1922年,H.カーターを援助して,王陵の谷トゥトアンクアメンの墓を発見したことで有名。

カーナーボン
Carnarvon

南アフリカ共和国北ケープ州中南部の町。ケープタウン北東約 475kmに位置。鉄道,道路交通の要地で農牧業の中心地。羊毛,コムギその他の穀物を産する。

カーナーボン
Carnarvon

オーストラリア,ウェスタンオーストラリア州西部,パース北北西 981kmにある町。ギャスコイン川河口シャーク湾の東北岸に位置する。灌漑によるバナナ,パイナップルなどの熱帯作物やエビ漁で知られる。塩を輸出する。人口 9038 (1991推計) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「カーナーボン」の意味・わかりやすい解説

カーナーボン
Caernarvon

イギリス,ウェールズ北西部グウィネッズ州の州都。ウェールズ語ではカーナーフォンCaernarfonと呼ぶ。人口9506(1981)。カーナーボン湾に面する。この名称はケルト系ウェールズ住民の言葉で〈砦〉の意味があり,紀元75-80年にローマ人がこの地に築いた砦を指した。ローマ人撤退後はウェールズの部族の首領がこれを占拠した。ノルマン征服後の11世紀末にノルマン人がここに城塞を建築した。その後歴代のイングランド王がウェールズ遠征を行ったが,最終的にはエドワード1世が1282-83年に征服してイングランドに併合した。翌84年にはコモン・ローを引き写した〈ウェールズ制定法〉を発布し,国王の直接統治下においた。このときにカーナーボン州をはじめ6州が定められ,ここに大カーナーボン城を築いた。のちのエドワード2世はここで生まれ,1301年初代のプリンス・オブ・ウェールズ(イギリス皇太子)に任ぜられた。またここは18世紀末から19世紀に,非国教会の礼拝所が多数たてられ,急進主義宗教運動の一中心地となった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーナーボン」の意味・わかりやすい解説

カーナーボン
かーなーぼん
Caernarfon

イギリス、ウェールズ北西部、グウィネズ県の県都。人口9695(1991)。セイオン川の河口に臨む港町で、観光、商業、行政の中心都市。市の歴史はローマ人の砦(とりで)建設にさかのぼり、史跡に富む。城壁に囲まれた旧市街には、由緒ある建物が多い。とりわけエドワード1世時代(1283~1323)に建てられたカーナーボン城は、エドワード2世(後のプリンス・オブ・ウェールズ)が誕生した重要な史跡である。

[久保田武]


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