きりきり(読み)キリキリ

デジタル大辞泉 「きりきり」の意味・読み・例文・類語

きり‐きり

[副]
物が強く擦れ合う音を表す語。「歯をきりきり(と)いわせて悔しがる」
きつく巻きつけるさま。「後ろ手きりきり(と)縛りあげる」
激しく回転するさま。「きりきり(と)回りながら墜落する」
弓弦を強くいっぱいに引くさま。また、その音を表す語。「弓をきりきり(と)引き絞る」
鋭く痛むさま。「胃がきりきり(と)痛む」
物事をてきぱきとするさま。「きりきり(と)立ち働く」
[類語](1きりりぎりりぎりぎりきしきしぎしぎしきいきいぎいぎいきしりぎしりみしみしみりみりめりめり/(5ずきずきしくしくちくちくひりひりひりつくしみる差し込む痛むうずくずきんずきんがんがんぴりぴりちくり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「きりきり」の意味・読み・例文・類語

きり‐きり

  1. 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
  2. 物のきしってまわる音、歯をくいしばる音やさまなどを表わす語。
    1. [初出の実例]「かりがねの羽風を寒みはたおりめくだまく声のきりきりと鳴く」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)六)
    2. 「内より片戸をきりきりと細目に開け」(出典:仮名草子・恨の介(1609‐17頃)下)
  3. 強く力を入れて巻きつけたり、引きしぼったりするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「二人張りに十二束二つ伏せ、きりきりと引きしぼりて」(出典:太平記(14C後)一二)
  4. 幾重にも渦を巻いているさま、くるくると回るさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「橋の下に、まだらなる蛇(くちなは)の、きりきりとしてゐたれば」(出典宇治拾遺物語(1221頃)四)
  5. かいがいしくてきぱきとするさま。ぐずぐずしないで、さっさとするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「きりきりとはたらく、きり、如何。キヒレリノ反。キビシキ義也」(出典:名語記(1275)六)
  6. 心がひきしまるさま、また、心に深くしみこむさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「近づいたナと思ふと、骨の髄までキリキリと沁む様な、或る聴取り難き言葉、否、叫声が嚇と許り自分の鼓膜を突いた」(出典:葬列(1906)〈石川啄木〉)
  7. 心がいらだったり、神経質になったりするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「又た忽ちキリキリと目尻を釣り上げた」(出典:良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉続)
  8. 頭、胸、腹などがさしこんで痛むさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「おなかの痛む名残ありて〈略〉ほがみさしつつ、こときりきりと病」(出典:御伽草子・福富長者物語(室町末))

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