ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギガントピテクス」の意味・わかりやすい解説
ギガントピテクス
Gigantopithecus
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中国南部で発見された巨大な歯および頭骨をもつ化石霊長類の一種。オランダの古生物学者ケーニヒスワルトは1935年、香港(ホンコン)の薬種(やくしゅ)屋で、竜骨(りゅうこつ)(化石)として売られていたもののなかから、容積にして現代人の10倍にもなる巨大な大臼歯(きゅうし)を発見、購入し、これに対して「巨大なサル」の意のギガントピテクスという属名をつけた。これに人類的な特徴をみいだした人類学の泰斗のワイデンライヒはジャワ島出土のメガントロプスとあわせ考え、人類祖先巨人説を提唱したが、その後、同属のものが、中国南西部およびインドより発見され、大型化石類人猿であることが判明し、この説は否定された。しかし、中期更新世(洪積世)のもので、ホモ・エレクトゥスと同時代であることから注目されている。
[香原志勢]
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